バイキング

ノルウェーコメディドラマ。2016年〜。原作、製作ヨン・イーヴェル・ヘルガケル。音声オリジナルは英語 Netflix配信。

 

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 一年くらい前のこと。

スーパーのかなり広い通路を歩いていた時、急に前方から人が駆けてきて、それはRだったんだけど、「どーして僕を無視するの!」と言うんだ。もちろん、わたしは彼を無視していない。今彼に気がついたんだから。「いや、ちゃんと僕を見ていた!」と言いつのる…。

 

で、これはたまにあることなんだけど、わたしは運転中に気がつくと、ぼんやり何かを思っていて、その間、道路を見ていた記憶がないんだ。300メートルくらいは、カーブもある道路を走ってる。 で、わたしが思うに、これってさ、「第三の目」ってやつじゃあるまいか?!

 

つまり、Rに気がつかなったときも、何かを思っていて、彼いわく、「ちゃんと目が合った」と言うので、(そういう記憶はまったくありません)、ね?運転中の件とおんなじ。この第三の目の説は昔から思ってるんだ。なんらかの別の神経回路があるに違いないって。

 

……ということで全く関係ない話しから本題にいきます。

 

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このノルウェー発の優れたコメディTVドラマについては、どういうコメディなのかを言わなければならない。(…知識がないけど、がむばってみる!)

 

いわゆるシチュエーション・コメディなどと言われるものであると思うが、その中にファルス(道化芝居)が入り混じっている…(間違いは教えてください)

ローマで勉強したというルーファス(役者の役)が奴隷としてバイキングの村に連れて来られるのだけど、彼が主に道化芝居を担っている。

当然ながら勧善懲悪の世界じゃないし、下品、卑俗、アホ、卑劣、暴力、等々に対して、たいへん寛大であり、ルーファスは大体、こういう下品なあり得ない状況に陥る…。

 そして、英語がわからないからわからないけど、多分、言葉遊びもやってるだろうし、パロディも盛り込まれていると思う。

 

時は西暦790年、バイキングの村の物語である。

壮麗な音楽が流れ、凝った衣装の役者たちは淡々と言葉を交わす。二人の役者は凪の海を眺めている。…そして、わたしは笑い転げるのだ。

 

 つまり、役者達は、ユーモラスな演技を禁止されていると思う。そして、決してシリアスにならないように演じている。

 このドラマの笑いは、役者達が置かれるのったりしたシチュエーションと簡潔と言っていい言葉のやり取りから生まれる…。と、わたしは思う。

 

 略奪に出かけるバイキング達が集まってくる。若いバイキングの兜にはツノが付いている。それは一体なんだ?と聞かれた若者はファッションについて正論を語るのだけど、それを理解できないオジン達の顔と、後々、ツノがトレードマークになることを知っている者にとっては、なんとも言えないおかしみがある。

 

 

2シリーズ、各6話。4話ほど見ました。 

 あと、このドラマはネットには全くと言っていいほど情報がないんだけど、「下ネタ満載!」という謳い文句のポスターがいっぱいあって。 

わたしが気がついた下ネタは実は一個だけ。おまけに意味がわからない。

 

あと、ノルウェー人が何故、立派なイギリス英語を話すのか、人によっては、アイルランドスコットランドの訛りがあると思う、ここら辺の事情も分かりません。

 

  

サブリナ:ダーク・アドベンチャー

ロベルト・アギーレ =サカサ製作。2018年。

 Netflix配信

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湿った景色、ダークな色合い、その中で一人、金髪のキーナン・シプカがキラッキラと輝いている。

友達思いの彼女は、賢く、そして奇妙だ。 

 

 

ロベルト・アギーレは「リバーデイル」(未見)を製作した人。

2003年まで放送されたコメディドラマ「サブリナ」(未見)のリブート版と言われているけど、どうも別物になっているようす。

だって「サブリナ;ダーク・アドベンチャー」はかっきりダークファンタジーもの。

 

では、全10話。4話まで見た感想を。

 

 

お話は、

 サブリナ(キーナン・シプカ)は人間と魔女のハーフ、16歳の誕生日が近づいてくる。彼女は魔女か人間かどちらかの道を選らばなくてはならない…。

 

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ストーリーも確かに面白いんだけど、ふと気づくとキーナン・シプカに魅入られている。(妖力を持った半分魔女だしね…。けど、子役のときすでに片鱗があったなあ)。

 

サブリナにはイジメや選択のプレッシャーやらふりかかるんだけど、彼女は勇気を持って解決にあたろうとするし、ダメだと判断したら、きちんと周りの人の力を借りる。何というか、…安心感がある、今までの展開では。

 

冒頭、サブリナとボーイフレンドのロス・リンチが話しながら歩いている。

この男の子がしつこい。しつこい子だなあ、と思った以外の彼の印象はなんだか薄い…。

 

むしろ、サブリナの家に一緒に住んでいる従兄弟が存在感ある。わたしは彼がお気に入り。

 大人の役者陣は特に女性陣が達者!!

 

 キーナンシプカは「マッドメン」の子役の時、とても印象深かった。

彼女はたぶん、ものすごい悪役もやれるはずだと思う。

 

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モリーズ・ゲーム

アーロン・ソーキン監督、脚本。 2017年作。ソーキン監督は「ソーシャル・ネットワーク」などなどで有名な脚本家で、この映画が初監督作品です。

 

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ジェシカ・チャステインの豊かな胸がいっぱい出てきて、それだけが目に焼きつきました…。彼女って胸デカかったんだなあ。そして美人でした!

 

2時間20分があっという間に過ぎます。何というか…脚本の面白さを伝えるような映画です。映画内でミラーの「るつぼ」、ジョイスの「ユリシーズ」の二つ小説への言及があります。「るつぼ」は信念、もう一つは、親子関係としてのモチーフになっています。

 

原作は、モリー・ブルームの自叙伝です。モリージェシカ・チャステイン)はモーグルのオリンピック選手候補だったんですが、大怪我でスキーが出来なくなります。そして、ひょんなことからポーカールーム(賭け事)の経営に携わるようになり、FBIに逮捕されます。過去、現在を織り交ぜた話しの展開がスマートです。

 

ポーカールームの経営が非常にエキサイティングで危険なものであること。モリーの早口はそれらがもたらす緊張感の渦を作り出します。

 映画の冒頭で、モリーが勝者のメンタリティについて語るのですが、これは、小さい時から父親に叩き込まれてきたもの。私に言わせれば、モーグルという競技は、恐怖と隣り合わせです。もちろん、オリンピック選手の候補になるくらいであれば、恐怖はとっくの昔にアドレナリンにすり替わり意識されないのでしょうが。(たまに、「いや、怖いです」と言っている選手がいる)。

 

彼女はポーカールームの仕事に勝者のメンタリティ(と競技者としてのスリリングな高揚)を見ていたはずです。彼女は、それに嵌っていくのです。(あんな仕事に耐えられるって、マジかぁ!)

 

弁護士(イドリス・エルバ)と彼の娘の関係が、モリーには、自分と父親(ケビン・コスナー)の関係のように見えています。二人の父親はそれぞれ、娘を厳格に教育しているし、してきたのです。実は、彼らの教育は成功しているのではないかと私には思えます。何故ならモリーも弁護士の娘もまったく萎縮していないし、きちんと自己主張が出来る知的な娘に育っているから…。

 

モリーと父親の確執には別の問題があったことが、二人の語らいで明かされます。

「私はお前に負い目があった」この父親の答えは、泣きながらモリーが「弟たちみたいに愛されたかった」と言ったものに対してです。

父親は、十分に彼女のわだかまりを理解していたようでした。(信じられません…。どうして彼女に応えてやらないでいる事ができたんでしょう…。)

 

しかし、彼女の頑固さは父親ゆずりかもしれません。彼女は驚くべき信念の人でした。自分の信念、それは他人を思いやること、最後まで彼女は決してそれを曲げませんでした。

 

 

 

余談だけど、ジェシカ・チャステインとか「ブルーに生まれついて」のイーサン・ホークとかを見ると、あまりにも彼らの表現するものに圧倒されて、「キューティーハニー」の西内まりあちゃんをついつい思い浮かべちゃう…。

ヒッチコックだっけ?「役者なんて下手で構わない」つったのは。まあ、彼は俺が撮れば、どうにでもなるのだから、俺の言うことだけ聞いてればイイ、って自負なんだろうけど。確かに、それに当てはまる役者さんっていると思う。若手では、結構、ジェニファー・ローレンスもそうだと思う。彼女は別の力もあるけど。

 

でもさ、「私は告白する」のモンゴメリー・クリフトとか「めまい」のキム・ノヴァクとか、自分なりの解釈をヒッチコックにぶつけてきたから、彼はすごく嫌っていたみたいだし、全く評価していないみたいだけど、後世になってから、作品の評価高いよね?ノヴァクや神父について語っているのをよく見るもの。これは、やっぱり役者の力のプラスアルファがもたらしたもの、つまり深みが出るんだと思う。