イギリスのTV映画、マーク・ミュンデン監督。 2010年作。
アーロン・テイラーもトーマス・ブローディ・サングスターも有名俳優だと思うんだけど、両者のWikiを調べてもこのTVドラマ(映画)は載っていません。
まあ…そういう位置付けの映画なのかなあ。
このドラマは、ベイビーブラザー(生後10ヶ月)を14才の兄が里親宅から誘拐して、18才の長兄と3人で逃避行する、それだけの話です。(3人の兄弟はそれぞれ父親が違います。母親が亡くなったことにより、3人はバラバラにされる、それが事の発端です)。
とても淡々としたドラマです。曇天のなか、山や丘の緑が異様に美しくて、この景色はやはりチラッとファンタジー物を思い出します。
兄弟二人のアップショットやバストショットで、彼らの表情を丹念に追っていくのですが、ある意味、それだけの映画です。
どういう人にオススメかというと、男の子のお子さんがいる人。😋
私の子供は男、友人は女の子。彼女は女の子の可哀想な事件や映画だともうワアワア言います。私は、もちろん悲しみますけど、比較的冷静なんですね。ところがそういった可哀想な事件や映画が男の子の場合はわたしワアワア言ってますね。彼女は比較的冷静です。
どうです、この母親のエグい利己心!
少年少女、可哀想な小さい子供が登場すると我が子を重ねてポロポロ涙ぐむ人にはこのドラマはイイと思います。
アーロン(左)は18才の役、トーマス(真ん中)は14才の役ですが、実は二人とも19、20才くらいのときの作品です。トーマス君はホントに顔だけなら12、3才に見えます!
アーロン・テイラー=ジョンソンはアベンジャーズ、ノクターナルではゴールデングローブ賞助演男優賞を取ってるし、トーマスは「メイズ・ランナー」で有名です。
最初のうちは、トーマスばかりが目立つんだけど、ずっと見ていくうちに、ああ、これは上のお兄ちゃんの物語なんだと気がつきます。
トーマスの行動はとても心が幼いせいだと思って見ていたんですが、それは彼の喪失感が必死で手繰り寄せている家族という絆を求めるあまりなんです。そうせざる得なかったのでしょう。
そして上の兄はそのトーマスの思いに少しづつ気がついてゆくんです。
台詞もめっちゃ少なく、彼らの表情を追うことで、それらをとても静かに語っていきます。
あと、冒頭のシーンの赤ちゃんが汚れていて、 連れ回して日にちが経っているんだな、と思っていたんだけど、そうじゃないな、と。もしかしたら里親の環境は決して赤ちゃんにとって良いものではなかったんじゃないかな、と思いました。
あと、ね、イギリス発のこれこそがブラックユーモアなんじゃないの?!つうシーンが出てきます!