ウォーム・ボディーズ

ジョナサン・レヴィン監督脚本。 2013年。出演ニコラス・ホルトテリーサ・パーマー

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  「あ。オレ、死んでるだった…」

昔、人々は温かく繋がっていた、アールの思い出がかき消えて、ソンビだらけの灰色に朽ち果てた寂しい様子に変わります。

 

昔に見て大好きだと思った映画なのに、感想を書くのを長いこと忘れていました。

 おまけに、すでに書いたような気もして、自分のブログ内を検索したという…アホ。)

 

 

 この映画は一言で言っちゃえば、寓話ですね。

 

アールは自意識のあるゾンビです!もう頭はあまり働かなくなっているし、言葉も拙いです。
 

 アールとすぐ後ろが親友のエムこと、ロブ・コードリー。

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エムがカフェのカウンターの前に座っています。アールは隣に座って二人は会話をします。

「ううううぅ…」

「ゔゔゔゔぅ…」

「ハハハハ…ングリ」

 

そうして人間狩りに出かけた先でアールはジュディに一目惚れです!

実を言うとわたしもちょっと彼女に惚れました。スローモーションで物陰から銃を構えた彼女がキリッとタフに現れます!

 

 キリッタフの真似したくなるシーンの写真が見つからないのでこれで我慢。

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 つまり、ジュディは生きた人間で、人間たちは、高ーいコンクリの塀に囲まれて暮らしています。

もう戦闘態勢です。敵はゾンビ!

 

いろいろあって…、

ゾンビたちに取り囲まれたジュディは思わずアールの手に自分の手を滑り込ませます。アールはその手をしっかりと握りしめます。

 

二人の繋いだ手をゾンビたちが惚けた顔で見つめるわけです…。

 

二人の繋いだ手が広告ポスターと重なるように写し出され、ゾンビたちが見つめます。

彼らは人間だった頃の温かさ、優しさ、親切、そういったものを取り戻していきます。まあ、寓意としてはそうなります。 

 

 ラスト、巨大な壁が爆破されます。

それは人の心の壁が取り払われたことでもありました。

 

 

 

 アールことニコラス・ホルトは「アバウト・ア・ボーイ」の子役。

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 若い…ヒュー・グラント

 

 

ナイトフライヤー

ジェフ・ブーラー制作。 ジョージ・R・R・マーティン原作(GOTの原作者)。出演ジョディ・ターナー・スミス、マヤ・エシェット。

 

  Netflix、syfy共同制作 ホラーSFドラマ

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 わたしは、これっくらいの怖さのドラマは全然、平気。(・ ・)

 

苦労したのは「ウォーキング・デッド」。ウチの男たちは口を揃えて「ぼく、怖い映画、ダメ」って言う。

「見なくていいから、お願いだから、側にいてくれない?」とウォーキング・デッドを見るときは、子供と激烈な交渉をするわけで、ヤンヤンやってると、Rまで来る。

しょうがないなあ、って顔の皆んなは、わたしの足元に座って本などを読み始める。

感激するしょぉ! (;_;)

 

わたしは、映画やドラマを見始めると、周りが見えなくなる。文字通り、見えない、映像しか見えなくなる。

ここからがヤバイってなって、ハッとして我に返った私が周りを見ると、だーれもいない…。わたしは一人、恐怖の音の洪水の中、座ってる…。

 

…ぎゃあああああ!(´⊙ω⊙`)

 

ウォーキング・デッドではこれを何回か繰り返したのよ。ほんまにあのドラマには苦労させられたよ。(しかし、途中で逃げるかい?アイツらぁ)。

 

 

 

前置きが長くなってしまった。

ま、ね、このドラマのグロいところは動きが遅いので、余裕で目をつぶれるからだいじょうぶ👌

 

 主役のジョディ・ターナー・スミス、ものすごく綺麗な女の子。

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多分、彼女が主役だと思う。 

このドラマは、閉鎖空間、密室で繰り広げられる会話で成り立つ心理劇の趣が濃厚。

ある意味鬱陶しいわけで、好きな人はハマる…はずだった。

 

しかしぃ、シリーズ化するために2つのプロットをツギハギした結果、失敗している…。

 

ゲームオブスローンの原作者、マーティンの中編小説を元にしたプロットと、小説に設定を借りた新たなプロット。この新たなプロットがグサグサの泥…。

小説は未読だけど、小説版に基づいたお話は、意志を持つ宇宙船と乗組員との闘い、で、なぜ意志があるのかとか、船長や美しいジョディの謎など、見せ場たっぷりだし、だから最初の数話は、胸が(心なしか大きく)膨らむ…。

 

小説の設定は、地球の危機を救うため、地球外生命体ヴォルクリンを探すってもの。

がっ、新たに付け加えられた脚本はさぁ、このヴォルクリンからの干渉波みたいなものがマッケン演じる科学者を狂わしていく、っつうことにしちゃったのね。

 

 

一見主人公風なオーエン・マッケンと隣はマヤ・エシェット。

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このマッケンがねぇ、腹たつんだわぁ!

一応、使命を持って宇宙船に乗っているはずなのに、過去のトラウマにどっぷりんこ。

ありゃ、ラストは、もしかしたらマッケンが言うように、ヴォルクリンが過去に戻してくれる、のかもしれないけど、やっぱ、探査機のなかで缶詰の中身みたいになって1000年さまよううんじゃないのお?知らんわぁ。

 

マッケンの隣にいるマヤですが、良かったですー!

このマヤは、腕にコード刺してコンピューターと交信するんだけど、これは「バトルスターギャラクティカ」へのオマージュかな。

 

でも、ギャラクティカでは、コンピューターは有機体だったし、腕にコードを刺すサイロン有機体ロボットなんだよ。

 

マヤは人間だし、なーんで腕にコードぶっ刺してPCと繋がるんや?

細かいところがあまちゃんな制作陣。

 

しかし、このマヤ・エシェットという女優さんは美人だと思うけど、中性的な佇まいで、不思議の国のアリスに出てきそう。むっちゃ印象的。

 

 

PCの意識と一騎打ちするマヤ

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 役者さんたちを見る分には堪能できます。みんな力のこもった演技でした。

各話の引きが強くて10話、あっという間に見てしまったオイラですが、そういうところは職人技が冴えわたったドラマでござんした。

 

  

ブレッチリー・サークル、アンナのインディ的な「間」

ジェイク・ルシントン制作。2012年。出演アンナ・マックスウェル・マーティン。

 Netflix英国ドラマ

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 右端の女性がアンナ・マックスウェル・マーティンです。

彼女の前髪クルンはサザエさんを思わせるし、じみじみだし、ずっとスルーしていたミステリードラマです。

 

 しかしぃ!「プリキュア」みたいに面白かったです!(プリキュアには似てません。念のため。)。このTVドラマは1シーズンが3話で、2シーズンが4話です。

さすがイギリスのミステリードラマは品質が保証されている、というか、鉄板の出来です。

 

 女性たち四人は、第二次大戦中、ナチスの暗号解読にたずさわっていました。

彼女らの戦後を描いたドラマでもあります。

 

 

ラジオで連続殺人のニュースを聴くアンナ。 

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アンナは、子供二人、優しい夫と暮らす主婦になっていました。

ある日、彼女は、盛んに報道されている連続殺人事件の犯行パターンに気がつきます。

彼女は昔の仲間を集めました…。

 

むかしわたしは、ゴールディ・ホーンが好きで、彼女のビデオを漁ったことがあります。何一つ覚えていませんが、大戦中の女たちの活躍を描いた映画が印象に残っています。

戦争中は男が不足します。女たちは男たちがやっていた仕事を肩代わりする事もあったようです。ホーンは女たちを鼓舞し、立派に男たちの仕事をやり遂げる、というお話でした。

そして…男たちが帰ってきます。女たちは追い払われます。

「あ…。終わったんだ」と呟いたホーンの顔、が深く心に残っています。

 

このドラマを見ていてあのホーンの顔を思い出したわけです。

 

それで、彼女たち四人は、戦時中のように協力して謎解きに挑んでいきます。

 

 

アンナさんは、2シーズンの2話が終わった時点でいなくなります。

そこでわたしは、つくづく、彼女と代わりの女優さんを比べてしまいました。

 

 アンナさんの謎に挑む様子というのは、ミステリアスな謎解きのロマンがこちら側に伝播してきます。何も分かっちゃいないけど、参加している気になります。

 

スターゲイトSG1」の考古学者であるダニエルも、謎解きのロマンと冒険に観客を巻くこむような演技をして、インディジョーンズ と劇中で呼ばれていました。

けれど、インディジョーンズの原形を作り上げたハリソン・フォードは、さして演技らしい演技をしていた記憶がないんだけど、強力なモデルを作っちゃったんですねえ。

彼は不思議な役者さんですねえ。

 

まあ、アンナさんは女性版インディみたいでグイグイ引き込まれました。が、冒険談のほうは、インディではなかったです。

 

アンナさんは、死ぬかもしれないのに拳銃を下ろしました。撃てないよねえ…。

インディなら面倒臭そうにドガンって撃っちゃうとこですよ。

 

インディとはいかなかったけど、それでもわたしは、アンナさんの表現力にめっちゃんこドガンと感激しました。

 はあと💓