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雪には意味があるはずだった。 氷の国からやって来た人が、風を撫でるように腕を広げた。 たちまち、空気中の水蒸気は凍りついて光る粒となった。 記憶を奪う雪が降ってくる。 真っ白い世界には、何も無かった。 雪を透かすようにして、光の粒が見えた。 き…
おおよその主婦は手抜き料理をする。 手抜きは、料理の基礎的な知識を必要とするよ。美味しそうだと思うレシピを見ながら、手順の省略や、一本化を思い描くんだ。 レシピに、鶏肉を炒め、ホワイトソースを1/2カップ加える、と書いてあれば、 バター多めで鶏…
心当たりは幾つかあった。 Amazonファイヤースティックを新品にしたところ、UーNEXTにログインできない。 わたしは視聴を継続したかった。 しかし、UNEXTは、IDパスワードの問い合わせメールを、はじいてしまう。 トラブルを解決出来ないのは、UNEXTとの直接…
車に乗ろうとしたら、男性が笑いかけてきた。 元気か?と彼は聞いた。 見覚えのある顔だと思ったら、むかーし、わたしは、彼とデートしたことがあった。 「元気だよ」と言うと、彼はさらに笑顔を見せた。 わたしが「じゃあね」と言うと、彼はうなずいた。 ハ…
例えば、「質の悪い高校で、校舎や庭を美しく整備したところ、学生が品行方正になった」ということがある。つまり、形には力がある。もっとも問題は、ずっとその中にいると、契機を忘れてしまうことだ。 山田作品には、家を整える女が登場する。 彼女らは、…
えー!中国、どうしちゃたの? あわててニュースをあさって、びっくり…。 エンタメ業界、経済界などに、規制強化のお達しだと。 「鄧小平路線を捨て、毛沢東路線へかっ?」とか書いてあったん。 もしらして、排外的にならざるを得ないほど、分断化が進んでる…
少し退屈な昼下がりに、白ワインを一杯、飲んだ。 グラスを洗っていると、目眩がした。 目を開けると、わたしはミラノのカフェにおり、横にイタリア娘がいる。 イタリア娘はわたしに腕を絡ませてきた。 「おかあさんとお揃いのジーンズだね」 わたしの娘だと…
今年の夏は暑い!連日、25度の暑さが続いている。 日陰は涼しい。 ウチにはクーラーが無いのよ。 たぶん、この地方でクーラーを付けている家はごく一部だと思うな。 この前、扇風機を買いに行ったら、売り切れてたよ。 なんせ、真夏でも夜には、15、6度に下…
極細チェーンのネックレスが欲しい。かれこれ10年以上前からわたしはそう思っていた。 帰るにはまだ早かったから、スーパーのアクセサリー売り場を覗いた。気がつけば、10年間もイメージ通りのネックレスを探しているわけだ。 ときどきRは、わたしの・素・早…
安いテーブルワインをとても美味しい、と言ったknoriはワインの味が分からない女の烙印を押された。密かにknoriは呟いた。「料理とワインのハーモニーは、繊細な味蕾を必要とする。きっと鈍いのよ。ふんっ。」 knoriはめげない。なかなか頑強な女なのだ。 近…
スーパーで買い物をした。数千円の出費。 十数年も使って、飽き飽きしていたラーメン用の器を新調。 ついでに…チュチュ風のスカートも買った。…ん、まぁね、このスカートについては、ちっと馬鹿っぽい…。 でも、愉しいんだ。 写真左下、わかる? スカートの…
ブドウをつまんでいたら、ブドウの話しをしているブログに遭遇。偶然って嬉しいな。 ほら、食べてた跡があるでしょ? 緑トンプソン、赤クリムゾン☝️ きっとわたしとおんなじ時間に、トンプソンとクリムゾン をモグモグしている人がいる! 楽しいなぁ。 ゴビ…
おっきい、 すんごくおっきい蜘蛛!が、 ソロソロと歩いていた。体の部分だけで、1cmはある。 しのごの言ってられない!わたしは素早く行動した。鼻セレブを五枚重ねで持ち、蜘蛛をふんわりと絡め取り、ティシュの端っこを茶巾絞りでギューとねじる。 それを…
すっかり春。
シベリア桜がぽしょぽしょと咲きはじめた。 ユキヤナギは満開。 春の息吹きは、わたしの心にリズムを刻む。 ウキウキ、ルンルン、ラリパッパーと、、なるはずだった。 今年の春はどこか違う。わたしの心は、今日の天気みたいな曇天模様なんだ。 薄暗いサバイ…
ドラマのショットには旨味がある。 ネットには、ショットとは「 映像の最小単位」だと書かれている。 特典メイキング映像なんかを見ると、スタートから「カットっぉ!」の声がかかるまでは結構短かったりする。その間の映像がシーンとかショットってよばれて…
彼女の愉快なボケは、無視された。 ツッコミがない…。 中国の時代劇を見ていて不思議に思った。ボケに対するリアクションを映さなかったり、反応が無かったりする。 ボケとツッコミの「ツッコミ部分」は省略されるか、ごくごく普通な返しをするんだ。 物凄く…
わたしはイヤリング 、イヤーカフがとても好き。「これ、どお?」 Rの返事は決まってる「いいね。」だ。 わたしが鈍感なのか、気にしたことがなかったからなのか、Rの返事の主眼は、わたしの機嫌が良くなることに置かれていると、この頃、ようやっと気がつい…
好みのドラマがなかなかみつからない。 ひまなんだ、わたし。
めちゃくちゃ、美味しい!とわたしは感激した。 イオントップバリューの298円のテーブルワインなん! 赤はフルボディに近いタイプもあって、小煩い男性も多分、黙らせられる! わたしは、たまげたよ。 ともかく、料理に合う! これを作り出した人の舌に舌を…
春のコートを買った。 ティルダ風だっ、とおもっている。 むっちゃ安いコート。長く使えないから、買っちゃいけない、というわたしの心の声は、店員さんの「カッコいいですぅ!」の声にかき消された。 年を取ると、店員さんのタメ口が消える。 「こっちの方…
中国の防衛費は日本の防衛費の四倍だって、ニュースで言ってた。 「きっと中国軍って弱いよ」と言いかけてやめた。Rに鼻で笑われるのも癪だし。 中国ドラマを見ていての印象だけど、 かの国はとても個人主義的だと思う。 個人の尊厳や自由を尊ぶ感覚が染み付…
「嫌だ。嫌だって言ってんでしょ!ばかやろおー。」 とっ、言えない女子が問題なのね、日本のばあい。 肉qさん(=猫pさん)の記事を読んで感激し、不同意性交等罪について少し調べたので、メモしておく。 2019年、 19歳の娘に性行為をした父親が、名古屋地裁の…
knoriはゴリゴリと働いていた。 彼女はアルバイトの青年を指導することになった。 あれこれと青年に命令を出し、knoriは威張っていた。 「だって威張んなくちゃね!」とは、knoriの弁である。 ある日、青年が笑いながら言った。 「knoriさん、アラレちゃん、…
「日の名残り」という映画がある。大英帝国の衰退を背景にした執事の物語である。 先日、 日本のドラマを見た。会社員のTVドラマと、執事の映画だ。ぬるい、ひなたの名残りが日本のドラマにあった。 「ハル ~総合商社の女~」2019年TVドラマ(日本) 「うちの…
「寒いね。」 「マイナス20度まで下がったらしいよ。」 冬の色は寂しい。 茶色と白のグラデーションしかない。落葉した木々の茶色と雪の白だ。 子供の頃、雪に覆われたカラマツ林で大きな黄色い月を見た。 心を打たれる美しさだった。 若い時は「どこにだっ…
お風呂でも本が読める、と私は思う。 これは、読書を諦めたくはないが、諦めてお風呂に入らなければいけない、という最高のジレンマに対するわたしのエキスキューズだ。 濡れた手でページをめくり、本がふやけてくるが、お湯はピンク色だし、フルーツの香り…
2021年だ。 鶴を見に行った。
真夜中に外でタバコを吸っていた。 今年は何だかあたたかいと思う。 上弦の月だ。 山のほうでは獣たちがざわめいている。 フェンスを超えて、闇が忍び寄ってきた。 よく見ると、それは鼠色をした鹿だった。鼠色の鹿は申し訳なさそうに「スパナを貸していただ…
「 いやはや」と思う、じゃぶじゃぶと洗い物をしながら。 TVドラマとは?映画とは?って思いが廻る。どうしたって整理整頓をしたくなってくるってもんよ。 TVドラマが楽しい。何故なのか? 特に中国や韓国ものは、小説や漫画を読む感覚で楽しんでいると思う…