とっても可愛らしくて愛おしい映画。
ネタバレ注意
あらすじ
健史(妻夫木聡)の親類であった、タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れに赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働く。そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、二人の間に生まれた男の子が暮らしていた。穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。シネマトゥデイ
(だいぶ昔に見たので記憶があやふやです)。
タキさんの目を通して、戦前の赤い屋根のお家に暮らす人たちの慎ましやかな幸せが語られていきます。 (まあ、これはタキさんが幸せなんですね)。
ある日、板倉が現れ、奥様と不倫関係になります。
戦争も始まります。赤い屋根のお家にも戦争は影をとしますが、タキさんは決して不幸ではありません。だからこの映画には戦争の直接的な悲惨さみたいなものは出てきません。
板倉にも召集令状が来ます。このとき、奥様は板倉に会いに行こうとしますが、タキさんは止めます。
タキさんは言います、「会いにきてくれと、お手紙を書いてください。わたしがそれを届けますから」と。
まあ、タキさんはそれを届けなかったんです。(わたしなら、そんな一生苦しみそうな事、絶対、しない!とか思いまいしたけど、タキさんはそれをやってしまったんですねえ)。
戦後、タキさんは平井家の人々を探すのですが、奥様とご主人は焼死していました。
タキさんの死後、健史はタキさんの大学ノートと挟まっていた奥様の手紙を見つけます。彼はその手紙を生き残っていた息子さんに届けます。
彼等はタキさんが何故手紙を届けなかったのか想いを馳せました。
タキさんが手紙を届けずに守ろうしたものがなんであるのか、はっきりとは出てきませんが、彼女が愛し守りたかったものは、小さなお家のささやかな幸せなんだろうと私は思います。
それはつまり、ラストに映し出される「家の前に立つ二人の女性」の絵、その絵が象徴する平凡な生活のことです。
「赤い屋根の家の前に立つ二人の女性」の絵は、戦後画家として成功していた板倉の絵です。戦前の何気ない平和な風景です。
戦争はまず最初に、そうした庶民のささやかな日常を破壊するのです。
その絵が映し出される時、戦争が奪っていった「人々の日常」が万感わたしの胸に迫ります。も、落涙。
余談
松たか子さんは「ラブジェネレーション」の時感動してしまいました。
だって、彼女はキムタクの胸に飛び込む前に、ちゃんと一人の女性として自立したい、と言うんです。(何も考えずRと結婚したわたしは)松さんに目を見張りました。大感動でした。
吉岡さんは「コトー先生」以来、もうすごく好き❣️