ヒアアフター

なにしろ 「ミリオンダラー・ベイビー」がトラウマで…。イーストウッド作品はぁ。

 

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久しぶりにクリント・イーストウッド監督作品を見ようと思って「15時17分、パリ行き」かこの「ヒアアフター」か迷って、そらね、ステキなマット・デイモンが出てる方でしょ、ということで、見た!

 

 覚悟して(この映画の批評を読んだ)見たので、そうゆうときって案外、結構、楽しめたりするもので、実際楽しんだよ。

 

おはなしは、サンフランシスコに住む霊媒師のマット・デイモンと、ロンドンに住む双子の少年とパリに住む臨死体験をした女性ジャーナリストという3人のそれぞれの物語。

それが最後に、ロンドンで結実するという…。

 

わたしは「ゴースト_天国からのささやき」 もファンだっだし、この手のお話(オカルトとか霊能者とか幽霊とか)が好き。

 

でも!この映画はリアルに撮っていて、幻想的なお話ですよ、とか一切ないわけ。例えば「いま、会いに行きます」見たいな映画では(幽霊*1と暮らす)、誰も「それはうそだ!リアルじゃない!」とか言わない約束になってるでしょ?

 

 この映画はドキュメンタリーみたいにリアルに撮っていて、だから、事前に情報が無くてみると、「臨死体験!」「霊媒師!」ってことだけでも、ハスに構えてしまったりするわけですよ。

 

でも、イーストウッドはリアルに撮った。唯一、幻想的と言えば、(マットはディケンズおたくなのだけど)、頻繁に登場するディケンズディケンズ幻想文学も書いてて、『クリスマス・キャロル』にも幽霊が出てくるし、短編にも出てきたと、記憶が…。(っクソぉ。まじでやばい、わたしの記憶)。

 

で…ね、

現実、霊媒師とか臨死体験とか、ごろごろあるわけで、世界中に。それはもう、遥か昔から、この手のもの(神話、民話、文学)とともに人は暮らしてきたわけで。

 

 だから、イーストウッドは、この現実(霊媒師がたくさん存在している)を淡々と事実として踏まえて撮る。

 

ロンドンの少年は死者とどうしてももう一度話したい。彼がネットで霊媒師を探し回っているとき、わたしは、もうもう、マットと話せば、この子は救われると、思うわけで、もうもう、ドキドキして見ていて。

 

そう、どうしてイーストウッドがリアルに撮ったのか?の話。

つまりは、彼は、映画の少年のように、もう一度死んでしまった人と話したい、という凡百の人の思いに対して温かいんだよ。 

 

(アメリカには戦死者が多かろうよ。) 

*1:訂正

ヒロインはタイムスリップしたのでした。過去の自分が未来の自分に。だから、現在の自分は自分が死ぬこともタイムスリップすることもわかっている。それが「いま、会いに行きます」。涙。主人公の二人が現実に互いに惚れあっていたので(結婚した)、濃密、幽玄な空気感で満たされた映画でした。