何がジェーンに起こったか?

 ロバート・アルドリッチ監督、1962年の作品。ホラーミステリー映画です。

 

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ベティ・デイヴィス(ジェーン役)とジョーン・クロフォード(ブランチ役) 主演。

 

お話は、

二人っきりで暮らす年老いた姉妹の物語。なぜ、妹のジェーンが狂っていくのか、なぜ、スターだった姉のブランチが車椅子なのか、そのミステリー。

 

登場人物は中年女性と80歳くらいに見える老女!老女しか出てきません!(めちゃくちゃ面白いけど、これがヒットしたというのはビックリです。)

 

でもって、怖いです、すごく怖い。

狂っていくジェーンが怖い…。(「シャイニング」のジャック・ニコルソンはこのベティ・デイヴィスのマネをしたんじゃないかと思ったよ。目を丸くカッと見開くところとか。)

 

で、このジェーンが80歳くらいの老女に見えるわけ。でもあの厚塗りのメイクを落とせば、綺麗な人だと思う。

かつては美人女優だった人が、こうゆう役をやるって不思議。どうゆう人なんだろうなあ、ベテイさんて。

 

 若い頃のベテイ⬇️

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わたしは姉のブランチがなんとなく好きじゃなくて、 ジェーンとブランチの間を行ったり来たり。でもって、わたし、ラストを知っていたんだよね。なにで見たのか思い出せないけど。

 

この映画の女たちはピアニストの母親も姉妹も、みんなそれぞれの相手に執着してるみたいで、いや、もしかしたら、ジェーンはそうじゃなかったのかも。ふつうにワガママな美人で男と暮らしてたかもしれない。 

いやあ、怖い。執着するって怖いんだ…。物語が描く執着と狂気、見終わった後ダブルで怖い。

 

 

Amazonアルドリッチ監督作品を見てみると、

 

特攻大作戦」「 ロンゲスト・ヤード」「カリフォルニア・ドールズ」「何がジェーンに起こったか?」

 

が並んでいる。どうもわたしは「何がジェーンに起こったか?」以外、見ていると思う。バカなところがなくて物語は面白く進むし、なんていうか上等な映画たちだったという記憶。

でもって、「ロンゲストヤード」は「男の映画」だというので(どういうことか分からないから)、「ロンゲストヤード」も、もう一度見た。

 

 

ロンゲスト・ヤード

 

バートレイノルズ主演。

 

なるほど、これが「男の映画」なのかと思った。(舞台は刑務所で出てくるのは男ばっかり。)でも、昔見た時も面白かったし、女性はこの映画嫌いじゃないと思うな。

 

レイノルズが刑務所所長の受付嬢(刑務所内の唯一の女性)をあてがわられるシーン。便利屋さんがレイノルズのために調達した女で、この時のレイノルズは彼女に対して優しくて、それで「いつもやってるのか?」みたいに聞く。彼女はそれにうなずいて「他に楽しみがある?」と答えるんだ。

この彼女の返事が面白い。性的対象である彼女に主導させてる。

 

でシーンが変わって、野郎たちがご飯を食べている。当然、男たちはレイノルズに彼女についての卑猥な冗談を言うんだろうと思ってたら、全くなし…。

これは監督が上品なのか、女性客を慮っているのか、分からないけど、超好感。

 

そいで、男たちは男の誇りや尊厳をかけてフットボールで戦う。

うーむ。これって女の目から見れば、うーむ…言わないどこ。

 

 

以上が二つの映画の感想ですが、昔見て、面白い上等な映画と思っていた作品群が、初めて、アルドリッチ監督の作品であると分かって点が線になったわ。

 

この監督作品の共通項、一個、思いついた。

あのね、どの映画も役者さんたちがすっごく光っていること。それも、監督の力を感じさせない光り方じゃない?

「カリファルニアドールズ」でもめちゃくちゃコロンボ刑事(名前、出てこない)が良かった記憶が残ってる。

不思議な監督さん。