ジュリア・デュクルノー監督(2016年)ー気持ち悪いのがダメな人は読まないでくださいー
プピパポトコポ…見ました!始めます!
16歳で獣医大学に入学したジュスティーヌ(ガランス・マリリエール)は新入生の通過儀礼で生肉を食べさせられる。
彼女はそれがキッカケで食人(カニバリズム)に目覚めてしまう。
どうやら、その食人という欲望 は、彼女がエロスを感じた時に発動されるらしく、男性の首筋を食いつくように見つめたり、ゲイのルームメイト、アドリアン(ラバ・ナイト・ウフェラ)の上半身をしこたま見つめ続けたり…いやはや。
そして、これも上級生による歓迎儀礼の1つで、だばあーとペンキみたいなものを彼女はぶっかけられる。で、同じくペンキまみれの男と小部屋に押し込められ、だんだん乗ってきてキスして………男の唇を(の一部を)嚙み切っちゃう。
極め付けは、シャワーを浴びてペンキを落としている時、青色の水がダーダーと流れ、歯に挟まっていたものを彼女はペッとして、ふと見るとそれはあの男の唇の破片で、彼女は美味しそうにそれを食べた!(ペンキの匂いとかキツくて美味しくないと思うな)。
つまり、これは、際物映画、食人にめざめちゃった怪物に変異しちゃった少女のお話なのであります。
わたしが可笑しかったのは、ゲイのアドリアンを相手に初体験するシーン。彼女が興奮して彼に噛み付こうとするたび、彼女の性癖に気がついているアドリアンに振り払われる。切羽詰まった彼女は……自分の腕にガブッと噛み付いた。
わたしとしては思ったよ、そうそう、この手があったか。なんとか生き延びていけそうやん、って。
ところで、これはなんとなく唐突感があるのだけど、クソッタレな教授が出てきて、「頭の良い学生が嫌いだ。成績の悪いアドリアンみたいな学生の邪魔をおまえはしているんだ」みたいにジュスティーヌに干し柿みたいな渋顔で言う。
画面が変わって、彼女がトイレでゲーゲー吐いている。げーげーげー、髪の毛を吐き出す。(早送りしたものの、彼女の絶望的な気持ち悪さが吐き出されるシーン)。
あ、あぁ、気持ち悪い…。
刑務所の姉を両親と訪ねた帰り、父親が、目の前のジュスティーヌに話をする。
「強く生きてゆけ」と。
父を見て息をのむジュスティーヌ。この彼女の顔が美しい。他者の痛みを知った美しい顔。
そして映画は終わりました。
私はひたすらゾミゾミしながら見ました。
うーん…彼女の何が怪物なのかって言うと、食人がってより、人肉を噛み切るとか、噛み付いて血を出すとか、その暴力性だよね。だって血が出るまで噛むって
すごくない?やってみたけど、無理だし。
だから、メタファー言うなら、わたしが思ったのは、女の内なる力?何というか、そういう力強い映像の印象が残りました。