ソルジャー

ポール・W・S・アンダーソン監督(1998年)

 

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 なぜヒットしなかったんでしょう?

わたしは、この「ソルジャー」が大好きです。

 

たぶん、わたしはP・WS・アンダーソン監督が好きなんだと思います。

バイオハザード」も大好きだし、特に1と2は大大好きだし、「ポンペイ」も楽しみました。そのほかも。

 

「ソルジャー」という映画は、能力が劣るとして、ゴミ廃棄用の惑星に捨てられた兵士のお話です。その星には移民船が墜落していて、生き残った人々が暮らしていました。攻撃される彼らを救うために兵士はたった1人で立ち向かいます。

 

アンダーソン監督の良いところは、こうしたヒロイズムにきっちり感情移入させるべく作られているとこではないかとわたしは思います。

そうしてヒーローは最後にあったかい人間関係を手に入れます。

もうね、みんなの夢、もしくは、快楽、でしょ?

 

この監督は、それを武器にのし上がってきたんだなぁ、と思います。当然、意識的なビジネスでしょう。

 

…巨匠と言われる監督たちは、そうした商売的意図のなかにこっそり意匠を忍ばせるものなかもしれません。

けれど、この監督は開けっぴろげです。

 

たとえば「ソルジャー」をノワール風に撮っていたらどうでしょう?(批評で

工夫が足りないと書いてあったので、ちょっと考えてみた)、でも、この映画はやっぱこのまんまが好きです。

 

でっかい土管のなかで、トッド(カート・ラッセル)が泣いています。彼は始めて人が恋しくなったのです。わたしはものすごく焦ります。もう飛んで行って抱きしめたいわけです。それっくらいトッドが可愛いんです!

(わたしはマッチョがめっちゃ苦手なのに)トッドがものすごく可愛い…あ、だからヒットしなかったのかなぁ。

 

遭難者たちが暮らしている集落もとても魅力的です。廃墟みたいな荒廃したところを精一杯、整えた感じが好きなんです。

 戦いのシーンも面白かったです、頭脳的で。

兵士の教育のシークエンスも好きです。

わたしの好きなものがいっぱい詰まった映画です。