マダム・メドラー

ローリーン・スカファリア監督、2015年作

 

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ランチを食べながら友人が言った。「私の母がね、姪っ子にヌードを描かせたのよ」 。彼女の姪っ子は画学生だ。

「ふんふん、お母さん、沢山おこずかいあげたんだ」

「まあそうだけど、ポイントはっ!母自身がっ!裸になったの」

私は、彼女のお母さんが大好きで、なるほど、そういう考えられんことを思いつく人で、素敵な人なんだ。わたしが大笑いしていると、彼女いわく、完成したから来い、と言われて行ったら、居間に畳2畳分くらいのどでかいヌードの絵がでデーンと置かれていたらしい。

家族の熱く激しい説得により絵は寝室に飾られることになったそうなんだ。

 

 …ということで、本題です。

 

この映画をローズ・バーン主演と思って見始めたら、なんと、おばあちゃん役のスーザン・サランドが主演でした!

 

マーニー(スーザン)は夫と娘のロリ(ローズ)の3人家族だったんだけど、1、2年前に夫を亡くしています。それで、30過ぎの脚本家である娘の側に引っ越してきてあれやこれやと世話を焼こうとします。

 

そういうマーニー母さんの日々を追いかけるようにして撮っている平凡な映画ですが、なぜか、マーニーを見る娘の視線を感じます。娘がストーリーテラー役をやっているわけじゃないのに。どこか娘目線のヘンテコでユーモラスな夢物語、そんな感じです。

実際、ロリは自分の家族をモデルにした映画を撮っていて劇中劇としてちょっことでてきます。自己言及的なこともこの映画はちょこっとやってます。

 

母娘の関係もなかなか味わい深いです。マーニーのお節介に切れたロリが「境界線を引きましょう!」と言うもんだから、少し涙声のマーニーが「わかったわ」っつって、出て行き、ロリは罪悪感に襲われオロオロする、綱引きの様な関係です。

 

ロリの妊娠検査キットの騒動は二人につられて大笑いしました。ロリとアーニーのやり取りがイイのに、ちょっとしか出てきません。

ラスト、亡くなった父が恋しいね、とロリが泣くシーンが好きでした。