ネオン・デーモン

 ニコラス・ウィンディング・レフン監督、原案、2016年作。

ファンタジーホラー…。

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カンヌ映画祭では、スタンディングオベーションとブーイングが半々だったというのも頷ける…。

綺麗な撮り方だなあ、とは思うけど、色彩があまり好きじゃない。

何よりも、プロットつうか、ファッションモデル界の設定がファンタジー…。

おまけに映像表現が冗長…。中盤、気がつくと寝ていた。

………はっ😦(ハペさんじゃないけど、2、3回繰り返した)

 ただただひたすら、エル・ファニングが素晴らしい!(この撮影の時、17歳!)この監督は初めてなのだけど、役者の使い方が上手いのかな?役者はみんな良かった。めっちゃチョイ役のキアヌ・リーブスも!(スター級の役者がやる役ではないと思うけど、流石の存在感)。

 

でこの映画のお話というのが、田舎から16歳のジェシーエル・ファニング)がのこのこやってきて、ファッションモデルの事務所の面接に行くと、「あんたはビッグになる、すんごい逸材よ!」とか言われて、一流カメラマンは彼女に入れ込むし、ショーのオーディションではデザイナーが彼女に食いつきかねないご様子…。

これね、「ショーや雑誌のモデル」ではなくて、「CMモデル」とかなら、あの男たちのの反応もありかな、と思うけど。求められるモデルのタイプ違うから。

でも、ショーのモデルにロリータが求められるわけがない。客は女性だよ?(ロリータ風ファッションショーをやったデザイナーがいたらごめんなさい)。

 

えっと、それで、あり得ないえこひいきの一歩を踏み出したジェシーには友人知り合いも出来る。それが、メイクアップアーティストのルビー(ジェナ・マローン)と、モデルのジジ(ベラ・ヒースコート)、サラ(アビー・リー)。

 

サラ👇

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「綺麗な人だなあ。モデルとして好感持つのってこうゆうタイプだよなあ」と思っていたら、彼女は実際にトップモデルだった人で、今は女優をやっているんだって。

でも…彼女、喋ったら、ダメだった。なんか話さない方がいい…。

 

それでね、ジェシーはサラやジジ、そして、メイクのルビーから羨望と憎しみを受けることになるんだけど、ここら辺はエルちゃんの力技でもっていくので、違和感なし。

ジェシーは16才のクソガキでありながら、(彼女は自分が美しいことはもちろん知っている)その自分の外見の魅力が「ちから」を持っていることに酔いだすんだ。

 モデルの寿命なんて22、3才くらいまでなのに、おまけにデザイナーにとってモデルの美の基準なんてどんどん変わってゆくのに。

 

監督は映画の中で「美は唯一絶対だ」みたいなこと言わせてっからね。こりはファッションモデル業界について勉強してないしょ!つまり、監督はモデルはどーでもよくて、ロリータという美、ほんのいっときの美、すぐに過ぎ去っていってしまう短い美、これについて撮ってるんだ。

 

けれど、なんつうか、エル・ファニングが正統的な表現をするつうか、だから、変態映画にならず、こうしてわたしがムカついている…。ちゃんと変態映画になっていれば、なかなか美しい映画だったかもしれない。…。

 

ある意味、エルちゃんのお陰で美についてアホタレすぎる映画のように見えてしまう、つうか、ま、わたしにはね。

 前から思っていたんだけど、エルちゃんはエロティックな表現がまだできないんだなあ、って。子役時代のジョディ・フォスターみたいな妖艶な感じをだしていたら、むちゃくちゃ怖い映画になっていたかも…。