ジャン=リュック・ゴダール監督。2015年。84才の時の3D 作品。
昔、彼の作品を見て退屈して途中でブッチンと消してしまったことがある。
よってコレは3Dで見てない。無料で転がってるのを見た!
ところが予想に反して飽きなかった!むしろ面白い。
この映画に物語はない、けど、出来事の羅列は一応ある。ゴダール自身の説明を以下に載せる。
テーマはシンプルだ
人妻と独身男が出逢う
二人は愛し合い、口論し、叩き合う
一匹の犬が街と田舎を彷徨う
季節はめぐり
男と女は再会する
犬は気付くと二人のもとに落ち着く
他者が個人の中にいて
個人が他者の中にいる
そして登場人物は三人になる
かつての夫が全てを台無しにし
映画の第二幕が始まる
第一幕と同じように
それでもどこか異なる
人類からメタファーへと移り
犬の鳴き声と赤ん坊の泣き声で
物語は終わる
(公式サイトより)
けれど、例によってというか、出来事はぐっちゃんぐっちゃんに切り張りされて、役者の言葉は引用で成り立っている!
見終わった私は、おお!一応、話は何となくわかるわ、一人の女がいて、二人の男がいて、女とすったもんだしたした男が自殺したのね。
まあ、違ったわけで、二人の女と二人の男、それぞれがカップルで、2組は同じ出来事を反復していた…。
ということを公式サイトで確認はしたけど、映画は見直さなかった。
印象的なのは、ロクシーという犬。(ゴダールが飼っている犬だそうです)。
ロクシー目線であちこち彷徨うのだけど、そのロクシーが見ているのかもしれない現実が面白い。色が、デジタルでブルーをかけて明度を上げたような色でTVで見るぶんには、綺麗!そして、なんていうか、イメージが停止するような感じがあって、まあ、絵のようなちょっと別世界で遊んでいる感じ。面白かった。
そして、女がしょっちゅう裸体でウロウロ。決して肉感的じゃなくて、見ていて快感があるけど、これ、3Dだとどうだろ?
ロクシー的世界の色も3Dだとどうだろう?
また、ゴダールの3Dは、何と右目と左目で違う画像を見るんだそう!
多分、この映画は3Dで見るべきです!はい。そう思ったよ。
まあ、ここまで読んでくださった(私からの💋投げキッス攻撃を受けた)読者さんは、何でゴダールはそげなことしてるん?と思っているに違いない!!!
私も、そう思ったも。何でも彼は、映画の最先端を突っ走っているらしい…84才。
意味はわからんのよ。強いて考えれば、ヌーヴェルヴァーグとか、あちこちで、巨大スタジオシステムが崩壊し出した時代から、の、話なのかなあ?とは思う。
何か思い出さない?ほら、大きな物語の終わりのこと。
まあね、見当違いかもね。
それでね、映画を見終わって、わたしは、いや、これは困るな、と思った。
説明できないけど、困るな…と。
暫く考えたんだけど、でもさ、映画の可能性の中心にはいつだって人間がいたんじゃない?
それはさ、可能性の中心を貫く、希望ってやつですよ。わたしは、そう思ったよ。
(╹◡╹)