ドゥニ・ ヴィルヌーヴ監督。2013年。
本来なら見なかった作品だと思うけど、やなぎちゃんが評を書いていたので見た!
これは面白かった。重々しくなくて、ミステリー風に綺麗にまとまった作品だった。
私は、バットマンのなんだっけ、ダークナイトのようなおっもーい映画をイメージしてたんだ。(この系列の作ひんを2、3本映画館で見てるんだけど、Rが好きで。でも私、嫌いなんだよね、これらの作品。疲れて。)
で、この映画はそのバットマンの替え歌が出てきて、やっぱ「ダークナイト」とかに敬意を払ってると思う。
ま、有り体に言えば、こ映画は道徳のジレンマ、正義について、観客の前にさあ、どうする?と問いかけてくるわけで、考えざるを得ない。
小さい娘が誘拐され、その時、現場で目撃された車に乗っていた青年が捕まる。しかし物証がなくて、警察は青年を追求出来ない。
そこで、誘拐された娘の父親の選択は、犯人と同じ悪魔になることだった。
青年を誘拐し拷問する。
青年が犯人の可能性はある。しかし、無実の可能性もある中、父親は目を覆いたくなる行動を敢行する。
…わたしなら、どうするか?
わたしは子供が助かるなら少しの可能性にかけて、悪魔になろうとするかもなあ、と思う。
けれど、悪魔になるのは至難のわざ。だってそうでしょう?簡単に悪人になれると思ったら大間違いだと思う。
ぶん殴られて血を流して泣いている青年を見たら、もう無理でしょ?
私は自由主義をぶん投げて、推定無罪を選ぶ。そうして青年の後を付け回したり、資料をたくさん抱えて、警察に日参し、うざがられる。(よく、こういう母親がアメドラに出てくる…。)
このときわたしは、子どもの命を犠牲にしたのだろうか?この映画を見ていると、法を選択するわたしはそのように見える…。
悪魔になった父親は、正真正銘の悪魔に負ける。
暗い穴倉で彼は天使が残していった赤い笛を見つけた。