ゴーン・ガール

デヴィッド・フィンチャー監督。 ギリアン・フリン脚本、原作。2014年。

 

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出演は 

ベン・アフレック

ロザムンド・パイク

ニール・パトリック・ハリス

 

フィンチャー監督って「セブン」の監督なんだぁ。なるほど。

 

この話は、ニック(ベン)とエイミー(ロザムンド)の夫婦の物語。

ある日、妻が失踪してしまい、夫が疑われ、マスコミの格好のネタになってゆく。というもの。

 

後半、1箇所だけ、わたしは笑ってしまって、やっぱこれはブラックユーモアをちりばめた映画なんだなと思う。

にしても、原作小説は未読だけど、深刻そうなお話を、フィンチャー監督はとてもスマートにまとめていると思う。

まあ、サイコなサスペンス映画にブラックユーモアな調味料という感じ。

非常に!面白かったです。

 

多少、ネタバレになるけど、言っちゃうと、この妻は夫に惚れていて、それが、事件の発端。 

それでも、この映画はリアルな部分ーー女の情念、欲望が田舎暮らしの鬱屈も相まって、理性を吹っ飛ばし、 暴走するーーその様を、上手いなあ、という感じに浮かびあがらせていると思う。

 

 リアルだというのは、この映画を見ていると、現実の男と女の事件を思い出すわけで、若妻が夫を殺して遺体を切断したり、私の暮らす田舎町でも、小児科のお医者さんが妻を殺して、今、刑務所に居る、とか、なんで、そうなっちゃうの?という話は、現実の方がすごい。

 

そこらへんの情念の絡まりやキレ方が意外なことに(ブラックユーモアに紛れて)この映像に展開されていたと思う。

 

エイミー役の女優さんは(どこか軽々と)熱演してた、つうのもへんだけど、まあ、ハマったんでしょうねえ。

 

それでエイミーはなかなかに衝撃的なことをニックに告げる。

「わたしの気に入るように、努力するあなたが好き」

 

この力は女は皆持っていると思うんだけど、やはり支配的な力というものだし、ちっと使うにはためらいのあるものを、ぬけぬけと言わせちゃう。

やっぱり女流作家の凄味だよなあ、と妙に感心してしまった。