必死剣鳥刺し

平山秀幸監督、藤沢周平原作、 2010年。

 豊川悦司池脇千鶴、吉川晃司。

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憎たらしい岸部一徳から、藩の良心とも言える帯屋(吉川晃司)を切れ、と言われたトヨエツ。

彼は、薄暗闇で、抜き身をみつめる。

藩に使える(オイエ)に使える身、ゆえの不条理をトヨエツは腹にグッと押さえ込むのだ。
彼の顔は、全編、この不条理に耐える顔である。

 

絶賛されている戦いのシーンは早送りして見て(何せ恐ろしい)、軽く感想を書こうかな、とwikiを見たのだった…。

なんと、この映画は外国に持っていっていた!

まじかぁ。

 

オイエに対する忠義が絶対である、故の、武士の腹にたまる思い、なんてものが外国人に理解 できるようには作られていない!

これは、日本人だから分かるのであって、外国に持っていくのなら、脚本を書きなおすべき、と思う。

なぜ、岸部一徳の言いなりになって、善き人物の吉川晃司を切るのか、外国人は、理解できないと思う。

 

にしても「たそがれ清兵衛」は良く出来ていた。

村に暮らす貧乏な下級武士。けれど、畑を作り、家の手入れもしており、子供達は明るく、こうした大地と共にあるような生活の有り様って、世界中が理解できる事で、そして、実は、素朴に見える貧乏武士は、剣豪だった!ヒーローだった、なんて、つまり、世界がわかる映画だったしょ!?

 

 

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 後、気になったのは、舞台美術っていうのか、セットが汚くて、それ故、むしろ生活臭が消えている事。

奥さんとのピクニックも敷物を赤毛氈にするとかして欲しい。