山田洋次監督、脚本。 2002年。
やなぎちゃん が清兵衛を汚い、と言っていて、実はわたし、わかるのよね、それ。
わたしは若い頃、山田作品が嫌いで、TVの映画劇場でチラ見しては「うっわ。ダサイ…」と思っていたんだ。でもある日、女優さんに惹かれて、「寅さん」のビデオ(まだビデオだった)を借りたわけ。
まあね。
48本、見ちゃいましたよ。
あの世界観にハマってしまうと、もうもう面白い!
この映画「たそがれ清兵衛」は時代劇ではあるけど、まあ、寅さんの変奏だよなあ、と思うの。
やなぎちゃんが好きな「 必死剣鳥刺し」は、ヤクザ映画の変奏やん?(と、言っていいと思う。)
わたしの知ってる昔のヤクザ映画のね。高倉健とか藤純子とかの。w
つまり、「たそがれ清兵衛」は、気持ちよくダサくシーンが情緒に溢れている。
これが嫌いなら、もうそれまでだけど、でも、アカデミー賞の外国映画にノミネートされた。
わたし、山田監督は、なんていうか、もっと美的センスがあれば、脚本家として、演出家として一流だし、エンタメ映画作家として世界的監督になった人だろうと思う。
そいで、演出家として優れているから、役者が生きる。
高倉健の2作品もわたし好きだわぁ。
寅さんも!
ん…
ダサい、ってなんだ?!つう話だけど、つまり、うまく言えないのよ。
でも、何処で読んだのか忘れたけど、山田監督は小津安二郎を退屈って思っていた、って。
嘘かホントか知らないけど、愕然とするよ。つうか、そう言われちゃうようなところが映像にあって、それをダサい、と言っていると思って下さい。
わたしは、多分、溝口、とかの映像を思い浮かべて、比べているんだろうと思う。
しかし、山田監督は東大の法学部出て、どうして映画会社に就職したんでしょ?
本を書こうと思っていたのかしら?でも、結局、頭が良いから、監督もやったらできちゃった、って感じなのだろうか?
まあ、全然、わたしは知らないのだけど。
結論としては、
彼の作品はやっぱ、(どんな監督も外れはあるにしても)、愛される映画だと思う。
追記
「たそがれ清兵衛」がアカデミー賞外国映画賞にノミネートされた、と書きましたが、わたしはアカデミー賞の権威にクラクラしているとかそういうことではありません。
分かる人には分かるというスタンスなんだけど、コンマさんが紹介してくれたので、やはり説明不足だなと思うので書きます。
韓国映画が日本映画をあっという間に凌駕してしまった(ように思える)のは、韓国は観客の需要が少ないので、世界マーケットをターゲットとしていたからです。
日本は国内だけで需要が十分なので、井の中の蛙と申しましょうか、日本人だけは笑う、それでよかったわけです。スウェーデンの人や、アフリカの人がポカンとしても構わないのです。
しかし、そうした文脈無視は、映画の質を下げているのではないかと、わたしは思っているのです。