都市が移動する映画なんだ。もう絶対見たくなる、わたしは。
なんていうか、建物群とか居住地とかの画面にめちゃくちゃ惹かれるんだ。
なぜだかわからない。
いろんな建物が群がり積み重ねって出来ているロンドン移動都市。
カメラが高い危険な場所から移動しながら、悪役のヒューゴが立っているところまで、パァーッと映しだす。
も、快感。この絵、つうかCGが素晴らしいシーンを作り出していて感動!
俯瞰で見る都市のCGのシーンも楽しいんだ。
クリスチャン・リヴァース監督、2018年。
ヒューゴ・ウィーヴィング、ヘラ・ヒルマー
も、ね、CG見てるだけで、この映画を見た甲斐があったつうもの。
物語は、断片、断片でステキなシークエンスがあった。
写真の女の子へスターが8歳の時、死にかけている彼女を拾って、育てたのが、シュライク。
彼はもう人間の心を失った、と思われているサイボーグなんだ。
でも、女の子はある日、写真を見つける。男性と幼い息子の写真。
それらのシーンが、シュライクが死ぬ時にフラッシュバックする。
そして…ホントに最後、彼は、小さな手を握るんだ。
彼は、本当に守りたかったかけがえないのない命を握りしめることが最後にもう一度できたんだ。
短いフラッシュバックのシーンだったけど、ありきたりといえばありきたりではあるけど、泣きそうになった。
悪役のヒューゴも印象的だった。
彼が若い時、へスターの母親とおだやかに笑っているショットがあって、
現在の憎らしいヒューゴとの繋がり方がなんか妙に心に残る。
ラストショットはあっけない。夕日か朝焼けのなか飛行船が飛んでいく…。そのうち気がつく、これは美しい絵だと。
…感動ってものは、ショットとショットのつながりに孕まれるんだなぁ、とつくづく思う。