ステキなダウニー・Jr がどんどこ酷い目にあう…。
もちろん、ダウニーにソレをもたらすのはザックと決まってる。
妻の出産予定日までに帰りたいダウニーは、嫌々、ザックと彼の愛犬と旅をすることになる。
トッド・フィリップス監督、2010年。(ハングオーバーの監督です。)
ロバート・ダウニー・J r、ザック・ガリフィアナキス。
わたしは、「大災難 P.T.A」みたいな映画なんだろうと思って見たから、ゲラゲラいっぱい、笑った。けど、人によっては「イライラした、笑えない」ってこともあると思う。
大災難P.T.A(1987年)
なぜなら、
ダウニー演じる男は、確かに口が悪くて喧嘩っ早いんだが、ザックはいわゆる疫病神なのです。ザックに悪気はないんだけど、やることなすこと、ダウニーを貶めてゆく…。
アハハ。
面白いね、不運な事故や出来事を擬人化して疫病神にするのって。
うろ覚えだけど、「大災難」には、なんつうか、マーティンが太った男に責任転嫁するのを止めるので、メタファーとしての疫病神は消え去って、現実の男に向き合うみたいなとこがあった…ような気もする。んー、イイ加減です。
この映画はいわばその後です。
不運や災難(すべてダウニーの災難)をネタに二人の男の掛け合いを大いに笑っちゃおうぜ、つう。
ザックのキャラは「ハングオーバー」と同じだけど、ツッコミとボケみたいに、ダウニーがガンガン突っ込むから、ザックの可笑しさが際立っている。絶対絶対絶対、ダウニーのおかげだと思うな。
コメディって、どんだけ面白く演じても、それを受ける人が上手くやらないと、なんだかなー、で終わっちゃうと思うんだ。
やっぱダウニーってコメディ、上手いのよ!
ザックが哀れにも躓くシーンがあって、それがあまりにも自然でびっくりした。
彼は躓く前に、とある事情で(ギャハハ)、すでに心はボロボロなんだけど、追い打ちをかけるように転んで、大事な父の遺灰をぶちまけちゃう。
も、ね、大笑い。可笑しくて可笑しくて、涙目。
ダウニーはザックにとても静かに声をかけるんだ。
「大丈夫、拾ってやるから」って。
前半のほうで、ザックに促されたダウニーが、父親のことを話すシーンがある。
ま、彼は父親に捨てられた過去があるわけです。でも、彼の顔からは、父を愛しているし、愛されたかったんだってことが伝わってくるんだ。
なーる!だからこそ、父を愛してる(とくっちゃべる)ザックにダウニーは同情し、(どんなにひどい目にあわされても)、心を動かされるわけかぁ、と、思ったそのときです。
ザックのけたたましい大笑いが響きました。
ダウニーの 辱めを受けたような顔をよそに、さらにザックは大笑いしました。
意味わかりません…。
パンしたカメラが、グランドキャニオンに遺灰を撒くザックをとらえます。
パァーッと広がって、遺灰が散ってゆきました。決して、ザックに降りかかることもなく、ボショボショと落ちることもなく、とっても見事な理想的な撒かれ方だったわぁ。CGかな?
映画の冒頭、
ベッドに横たわったダウニーはこちらを向いて語りかけます。
私は、これからステキな物語に誘われる気がしました。
まあ、字幕では、クマが赤ん坊を取り上げた、自分は行きたくてもいけない、という夢の話をしてたわけなんですが。
ラスト、赤ん坊を抱いている彼は、ザックは娘に近づけないぞ、と言いましたが、簡単にザックに踏み潰されそうではありました。