シャラマンたら、あおいしょぉ…。けっこう年だけど。
ネタバレ注意
ん、いや、サスペンス仕立てでめちゃくちゃ面白かったんだよ。
すんごく計算された上手い映画だなぁ、と感じた。
どこがどう?ってことは、答えられないんだけど。わからないんだけどさ。
M・ナイト・シャラマン監督、脚本。2019年。
ジェームズ・マカヴォイ、ブルース・ウィリス、アニャ・テイラー・ジョイ。
「アンブレイカブル」「スプリット」に続く三部作の完結編。
アメコミに出てくるような三人の超人たち(マカヴォイ、ブルース、アニャ)が精神病院に収容、監禁されるんだ。前作の主人公たちです。
そして精神科医のエリー医師から3日間の治療を受ける。
もうね、このエリー医師がぎょええええええっって嫌な感じなんだ。
濃い眉と頑迷で不気味な黒眼がアップになるたび、嫌でしょうがない。
最後に分かるのだが、彼女は社会から突出したもの、過剰なものを抹消する組織の人間だった。
つまり、実在するアメコミのヒーローやヴィランたちを世の中に知られてはならない、とする組織だった…。
エリー医師は「私たちは、善でも悪でもバランスを壊すものを容赦しない」というようなこと言う。
つまり、彼女は、「秩序」、「社会良識」と言ってもいいかもしれない、もの(メタファー)なんだ。
良識的な空気感の息苦しさ、は、わかる。わかるけど、目に見えない空気感を組織犯罪、陰謀のようなものに矮小化しちゃうのは、まずいだろう、と思うよ、シャラマン君。
昔、「サタデーナイトフィーバー」という映画が好きだった。
若者たちのダンスバトルの話だったけど、トラボルタのリズム感は、当時、最高な快感があった。
ラスト、トラボルタと彼女が対岸から摩天楼を眺めながら、いつか行こう、って話すんだ。
もうこのラストショットが最高で。
このショットから見えるのは、その時代の上昇志向かもしれない。けれど、目の間に広がるニューヨークの夜景は、いろんな想いを吸い込む。
社会に対する憧れ、気後れ。そうした社会の象徴としての摩天楼。その得体の知れなさ。けれど、そこには、郷愁さえ漂う。
なぜなら、私たちはそこでしか社会の中でしか生きられないのだから。