ああ!もう最高でした!
アイアンマンから10年、MCUシリーズの集大成でありました。そしてひとつの時代が終わりを迎えた時でもあります。
ルッソ兄弟監督。クリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリーによる脚本。2019年。
ロバート・ダウニー・J r。
アイアンマンだけは映画館で見たんです、わたし。
もうものすごく面白くて、ひとり手を握りしめて感激していると、観客の男性たちが、そうした最高のシーンでゲラゲラ笑うんですよねぇ…。
この映画、ばかにされているのかしら、と思っていましたが、結局、世界中を席捲しましたねぇ。なんだったんだ…?
エンドゲーム見終わっていま、まあ、悲しくて、寂しいです、あそこのアイアンマンのとこ…。
(; o ;)
とまれ、最高に良くできためちゃくちゃ面白い映画です。
この映画だけ見ても、大丈夫じゃないかと思うのよ。だからそのための予備知識だけ書いておきます。
- タイタン星人の悪玉サノスが、宇宙のバランスを戻すと称して、インフィニティストーン6個を使って、宇宙の半分の生命を殺してしまうわけです。
- 当然、MCUのヒーローたちも半分は消えてしまい、物語はそっから始まります。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー冒頭の「Come And Get Your Love」を聴きながら書いてるんだけど、ま、そういう思い出のシーンもオシャレに映し出されているんですよ!
だから、ただただ楽しんで感激してジワっときてワアワア叫んで、堪能すればOKなんですが…どんどんネタバレしそうなので別のこと書きます。
この映画、ちょうど今話題の「トロッコ問題」と被るとこがあったんですねぇ。
「トロッコ問題」というのは、二股に分かれている線路をブレーキが壊れた無人のトロッコが暴走してくるんです。そうして、二股に分かれた線路の片方には5人の人がおり、もう片方には一人の人がいます。ポイントを切り替えなければ、トロッコは5人のいる線路を爆走して5人を殺します。ポイント切り替えのところに立っているあなたは、どうするか?という話なんです。
選択肢は、5人を救うか一人を救うか、どちらかしかありません。道徳的ジレンマ問題なんですね。
昔、マイケル・サンデルさんの授業をNHKでやっていてめっちゃ面白くて、彼の本にも、TVでも、トロッコ問題をやったはずだと思うけど、まるっきり忘れています。
ぶっちゃけ、5人を救って、一人を殺せるのか、ってことだとします。
ここで、5人を救うを選ぶ人って、いわゆる功利主義的ですよね。最大多数の最大幸福ってやつです。
決断がつかない逃げ出したいわたしなどは、殺人の結果が怖いわけです。
ただ、もし、一人だけ線路にいる、その人物が私の家族だったら子供だったなら、わたしは、5人を殺して、一人を救います。
殺人者になる覚悟で子供を救うだろうと思います。(結局のところ、道徳ってのは、良い感情を守ろうとする、ってことでしかないのかなぁ…。)
これがですね、映画のサノスとヒーローたちの選択にちょいと被るんです。
サノスは宇宙の崩れを守るために、結果のためなら手段を選ばずというゴリゴリの功利主義者ということになります。
そして、ヒーローたちは、消え去った愛する者たちを取り戻すためにサノスをやっつけようとするんです。
ヒーローたちは愛という理想のために戦うわけです。
その結果、自らが犠牲になっても…。
穿ちすぎかもですが、この映画は、ちょいと道徳的ジレンマ問題を絡めてあるのかもしれません。
話の展開は洗練されてるし、戦闘シーンはめっちゃ面白いし、言うことなしの映画でした、わたしにとっては。