愛されたいという欲望を笑わば笑え!
frikandelさんがオススメしていたので手に取ったところ、も…イッキ読みです。
非常に赤裸々!
この本は、スペイン旅行のエッセイを軸に細かい私的なエッセイが挟み込まれています。けれど、就活から始まり、ライターとして一本立ちするまでの物語として読めます。圧巻の物語でした。
frikandelさんが書かれています、< 若い時に誰もが持つ「悪いのは自分じゃない、社会だ!環境だ!」という被害者妄想意識と「誰か助けて、誰か私を愛して!」という無意識な欠乏感。>と。
frikandelさんの看破、「愛されたかったんだ」は、「おぉ!すごい」と思いました。なぜなら、「愛」という言葉でまとめているから。
だからわたしも「愛」という言葉を使います。
本の終わりで小野氏は、殻を破り社会や他人を信用すること、物事や他者を愛することを説くに至ります。だんだんと社会に向かって心を開いていくさまといい、この本は見事な編集で、本当に読み応えのある私小説の趣がありました。
この「愛」について、下の息子に語ろうか…ちと心が惑います。
彼は、「仕事はうまく適当にやる」と言ってはばかりません。
それって、まずいでしょう…とわたしは思うわけです。別に小野氏がいうようなパターナリズムじゃあないですよ。つまり彼は、社会的な出来事、人に対して、シニカルで殻を被っているのです。
心を開かなければ、人を信用することも、そこから始まる愛することもままなりません。
いったんここに立てば、思いがけない視界が広がるはずです。
彼は、頭ではわかる、と答えるんですが…どうしたもんでしょうねぇ。
いやはや、お前が言うか、ってことではありますが、不思議と、これだけはわたしはできていたんです。と思います。…単純だからかも。
中学生の頃かしら、愛されるより、愛することが、大切なんだと考えたんですよねぇ。
紅葉がきれいです。
彼は、元気でしょうか。