「いいえ。感情は美しい。」ジーンが言い放つとき、カタルシスが炎のように輝いて解き放たれる。
サイモン・キンバーグ監督、脚本。2019年。
ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャスティン、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ニコラス・ホルト、ソフィー・ターナー。
新シリーズの四作目。
特殊能力をもつミュータントであるジーンは、太陽フレアを取り込んだことが原因で自分の中のダークサイドが増幅し、制御不能になってしまう…。Wiki
XーMENはスピンオフも入れると12作くらいある。なぜなんか、大好きなシリーズなんだ。 超能力が欲しいからなのか、あの寄宿舎学校が気に入っているからなのか、ま、アベンジャーズより好きなのである、実は。
XーMENであれば、駄作だって楽しめる。が、今回、主役のサンサ(GOT)が …愚かなヒステリー女にしか見えなくて、わたしは毒づいていた。中盤、チャスティンが「あれは太陽フレアじゃない。宇宙を創ったパワーそのものなんだ」と言うに至って、やっと脚本の意図が見えてくる。
宇宙の根源の力には善も悪もない、力そのものなわけで、それがサンサの中で暴発している。プロフェッサーはミュータントたちの居場所を保持するために、現実世界の権力者に迎合している。
なるほど、プロフェッサーが既存権力に擦り寄る哀しさと、すべてを超越した力そのものとの見事な対比!これが狙いかぁ!…しかし、サンサの演技がそうしたものを地に落としていく。ズタズタボショボショ。
エイリアンチャスティンの、のっぺらぼうな演技が不気味さを醸し出すのをみると、やっぱ、サンサはミスキャストかな、と思う。
けれど、だ、本来のジーンを取り戻してからのサンサが、美しい。特に、ラストの戦いでは、今が旬の彼女の肢体の美しさは必須だったのだと思う。
うぅむ。むちゅかしい。プロって難しいんだなぁ。
わたしの心に残ったのは、何気ない、チャスティン初登場のシーン。少し不安を感じている彼女に物語を感じる。
そして、マカヴォイとファスベンダーのチェスのシーン。パリのカフェ、外のテーブル、なんかイイんだ…。