おもしろうてやがて悲しきトミー・ウィソーかな。
左からグレッグ・セステロとトミー・ウィソー(役名)
煮ても焼いても食えない男だろうな、この監督は。そう感じる人が作った事実に基づいたコメディ。トミーという実在する人物が作った映画の、製作過程を映画にしてある。
とってもとってもとっても面白かった。いっぱい笑った。
けれど見終わると、物悲しさが残る。何故なら、トミーが作っている「THE ROOM」という映画は、いわばグレッグに対するラブレター。真面目なロマンチックラブのお話なのだ。ラスト、ついに映画が公開された。その映画に観客は、大いに沸いた。コメディとして大いに笑った。
トミーは二重に笑われている。この映画の中の観客に笑われ、この映画を見ているわたしにも笑われ…。
なにしろ、映画について何も知らないトミーが、脚本、監督、制作、主役、おまけにナルシステックなダイコンで…なにせ雇った映画製作のプロ達に、彼は映画を見たことがないのじゃないか、と陰口を叩かれるのだ。
ジェームズ・フランコ監督、主演。グレッグ・セステロとトム・ビゼル原作。2017年。
ノンフィクション『The Disaster Artist』を原作としており、史上最低の映画としてカルト的な人気を博している「THE ROOM」の製作過程を描き出した作品である。Wiki
taiyakiさんの記事がとても面白かったので見たのだが、わたしは「THE ROOM」は未見。それでも「デザスター・アーティスト」は楽しめた。
ちなみに、この映画が公開された後、トミー は始めからコメディを作るつもりだった、と言っているらしい。