興奮した!
圧巻の10話目でしたん。
Apple TV
ジェニファー・アニストン、リース・ウィザースプーン、スティーヴ・カレル。2019年〜。
全米で人気の朝のニュースショー。その番組自体がニュースになる時、大きな危機が訪れる。
ミッチ(スティーヴ・カレル)は、有名な司会者。セクハラ行為がすっぱ抜かれて、クビになった。
数話前あたりからようやっと、彼の具体的なセクハラのエピソードが描かれ始めていた。
そうしたことやあんなことやこんなことが一挙に10話で結実し、これから花が咲き乱れるぞ、ってとこで、終わった…。
いやぁ、面白い。そらぁグローブ賞にノミネートされるよなぁ。
でもって、以下は、わたしがもっすごく面白いなあ、と思った事を書いておくよ。
彼女は、若く美人な下っ端のスタッフ。ミッチは上司だ。彼女は、ミッチを尊敬し、ジャーナリストとして憧れてもいた。
ある日、彼女は凄惨な現場に打ちのめされてしまった。
ミッチはそんな彼女を慰め、「わたしはそんなつもりじゃない」という彼女を押し倒した…。
この数話前のエピソードは、セクハラにあってしまった彼女の自分自身に対する嫌悪感、罪悪感、絶望感をよく表現していた。
わたしが、非常に興味深かったのは、ミッチが、彼女に好かれている、と思い込んでいるところ。ミッチは、彼女もその気だったはずだと、それを疑うことをしない。
ミッチは、彼女が「やめてっ!」と叫び、彼を突き飛ばすことが出来ない、ということが分からない。
思いっきり「この助平オヤジィ!」と騒げば、クビになりかけない、というか、多分、どこかに左遷される、そういう困惑と恐怖で、彼女が身も心も固まっていることがわからない。
もっと言えば、力を持っている彼の前で、不穏なものを感じても、権力に向かって、何とか穏便に済ませようと、へつらう、もしくは彼女の精一杯の大人な対応を、ミッチは自分に対する恥じらい、媚び、誘惑と捉えているようなのだ。
セクシュアルハラスメントにおける溝は、なんてこったい、とても深い…。