のんびりしているとあっという間に日が暮れる。冬は日が短い。
カーテンを閉めようとして外を眺めると、かなり大きな渡り鳥が列になって飛んでいた。
大きな翼だ。そして…錯覚かと思ったが、胴体には確かに手足が見える。
まるでSFの翼人なのだ。翼のある人間が飛んでいた。
ヒュロロォという声を出している。
隊列から30度ほどずれた方角へ一直線に飛んでいるはぐれ者が鳴いているのだ。
はぐれ者はどうにも翼をバタつかせている。リズムが壊れているようだ。
後方の翼人が鋭い鳴き声をあげた。ピューイ、ピューイと繰り返している。はぐれ者の位置を把握したようだ。
本隊の列はゆるいカーブを描いてはぐれ者を追いはじめた。
そうするうちに、翼人たちはわたしの視界から消えてしまったのだが、同時に鳴き声もまったく聞こえなくなった。
辺りはすっかり暗くなっている。