黄色いビートルに乗って

 「寒いね。」

 「マイナス20度まで下がったらしいよ。」

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冬の色は寂しい。

茶色と白のグラデーションしかない。落葉した木々の茶色と雪の白だ。

子供の頃、雪に覆われたカラマツ林で大きな黄色い月を見た。

心を打たれる美しさだった。

 

若い時は「どこにだって行こう」と思っていた。望んだ場所に住めると思っていた。

愉快なことに、人生は甘くなかった。

 

わたしは、相変わらず寂しい色の雪道を車で走っていた。

 遠くの方から黄色いビートルがやってきた。

 

 その時、色が完璧に調和した。