「 頭の片隅にはあったんだ、韓国SFについて。ポンジュノ監督の『スノーピアサー』をチラッと思い出したんだし。」とknoriは弁解した。
「SFは英米の独壇場」というknoriの発言をぶっ飛ばした『スペーススウィーパーズ』なのである。
監督、脚本チョ・ソンヒ、2021年。
ソン・ジュンギ、キム・テリ
「うわあああああ!感動する!感動する!うっわぁ。。」
これは映画の後半、家中に響き渡ったknoriの大声である。
「うっわぁ。。」の「。。」は、あまりに間抜けなコメントにknori自身、恥じ入ったらしかった。
見始めた頃は「おぉ!『ファイヤーフライ』を思い出すわぁ。めっさ、面白いやん!」と呟き、knoriは興奮と喜びで顔を赤くして、2度、コーヒーを淹れるために席をたった。
気持ちが高揚しているときの癖である。
見終わったknoriは、でへらーと間延びした顔で、ぴょんぴょんと飛んだ。
「ほんとにほんとに面白かったよ」
「あ、イテテ。親指、ぶっけた。」
どうやら、最高のエンタメ、活劇SF映画だったようだ。
「この映画ね、きっと続編あると思うよ。今回は、ソン・ジュンギの過去をモチーフにして、話を展開させていた。キムテリの過去もチラッと出てくるけど、詳しい事は分からない。
続編は、キムテリ編もみたいな。」
「あ、それとね、ジュンギの気持ち、わたし、わかるんだわぁ。だってね、うちの猫が…」
knoriはぺちゃぺちゃと喋り続けている。
わたしは、フェードアウトしよう……。