女の浴衣がはだけて、白い足が見えた…。
チラ見せつうより、 隠れているものが妄想をよぶ。葉隠ならぬ、しのぶ恋は、酔うには充分ッ!
左から魏嬰と藍湛
2019年。原作『魔道祖師』。
シャオ・ジャン(魏嬰の役)、ワン・イーボ(藍湛の役)
他、美形多数。
このドラマの原作は、性的描写もある…らしいBL小説 。
それを見事に、友情や任侠道に昇華してある。検閲の厳しい中国国内の評価も高い…らしい。
それでも、焼きごての跡や、曲名に2人の名前を使っていたり…数々のディテールで酔いはまわる。
そそ、登場人物たちは、仙術を使う武術家たち。剣に乗って空も飛ぶので、仙人みたいなものかな?
こいつは、👇薛洋。
彼が嫌で嫌で出てくると早送りしてた。
ところが、この薛洋というサイコパスは、目の見えない暁星塵に恋をする。
👇左から暁星塵と薛洋
このドラマには、愛だの恋だのという言葉は一切出てこない。すべて、「出来事」で見せていく。
そもそも、サイコ薛洋は、暁星塵を殺そうと狙っていた。
ところが、重症を負い倒れていたところを暁星塵に助けられる。彼は暁星塵のそばで暮らし始めるのだ。
足を引き摺り、不気味な笑いを浮かべていた彼は、暁星塵の優しさに触れ、いつのまにか暁星塵の隣で幸せそうな笑顔を見せていた。
しかし、サイコパスは殺しをやめられない。彼は、暁星塵を騙して、舌を切った村人達を殺させていた。
あろうことか、暁星塵を探しに来た最愛の親友、宋嵐をも、切らせた。暁星塵の目が見えないのは、かつて失明した宋嵐にこっそり自分の目を与えたからである。
混乱する暁星塵に、今までの真相を教え、うすら笑いを浮かべるサイコ薛洋…。
彼には理解できなくても、絶望の中、当然、暁星塵は自害するわけですよ。
サイコパスを罵りながら見ていたわたしは、こっからの展開を、まったく予想出来なかった。
も…泣けた。
サイコ薛洋は、死んでしまった暁星塵をゾンビにしたら今まで通りになると考え、いそいそと準備を始める。暁星塵の手を綺麗に拭いて目の布も取り替えた。
ふと手を止めた彼は暁星塵の死顔を見つめ、顔を近づける。唇が触れる瞬間、彼はハッとして、悲痛な叫びを上げはじめた。
霊識が壊されている。もう、暁星塵には会えない、彼はようやっと自分の愛に気がついた。
彼の叫び声の中、あまりにもその愛が憐れで、ホロホロと泣けてくる。
仲間たちは、半ゾンビにされていた宋嵐を解毒し、治してやった。サイコパスは捕まり、その宋嵐にとどめを刺された。
死の間際に彼が思い出していたのは、微笑む暁星塵。暁星塵は飴が大好きな薛洋のために、2粒の飴玉を置いていた。
薛洋は飴玉を見つめ息絶えた。
一番の剣の使い手と言われ、気高く美しかった暁星塵。この結末に救いがないわけじゃない。
宋嵐はやっと会えた暁星塵の剣を背負い立ち去っていく。心持ち歩みがもたついた。かすかに頭を後ろに傾げた時、後ろに暁星塵の幽霊が一緒にいた。2人…ひとりと幽霊は、再び一緒になれた。
ドラマの主役は、魏嬰と藍湛。
15、6歳の魏嬰と藍湛👆
平和だった頃の巻はチョットたるい。魏嬰の役者さんは27、8才で、少年役はちょっと無理があったのかなぁと思う。でもその後は、どんどん面白くなる。
人に冷たい藍湛と誰とでも仲良くなれる魏嬰、👆この写真のシークエンスと、幼い頃の藍湛と母親のシークエンスがピタリと重なり合う。
この時しみじみと、藍湛の魏嬰に対する深い愛と執着が浮かび上がってくる。
まぁ、でも、肝心の魏嬰は藍湛の愛に…気がついていない、と言い切っていいかな…。
魏嬰👇
舌を切られて、言葉を失った村人達や宋嵐に象徴されているように、このドラマはたくさんの言葉を隠していた。