「ぎゃぉぉぉぉん」とばかりにわたしの身体は、融けた。チェンクンのしたたる色気に。
ベッドカバーのように薄く広がった内臓をよっこらしょと、ようやく戻したのだった。
Netflix 2021年、中国映画、リー・ウェイラン監督。
チェン・クン、ジョウ・シュン主演。
「この映画は、マーベルスタジオ製作」と言いたくなるほどで、原作の「陰陽師 」とは別物。
日本の「陰陽師」を原案にしたゲームが中国で作られ、更にそれを原案にして作られた映画。
VFXを駆使した妖怪がたくさん出ている。
「ビーストと魔法使いの旅」的な、「ドクターストレンジ」的な、そっち系のファンタジー 映画である。
「ガーディアンズ オブギャラクシー」では、ロケットのモーションキャプチャをやった役者さんまで有名になった。
この映画の妖怪たちに、そこまでのキャラ立ちは、ない。
その妖怪たちと博雅役の役者さんが、延々、中盤過ぎまで引っ張った。チェンクンの出番が少ない、、、退屈だったぉ。
博雅はストーリーテラー的な役割で、彼の動きで、人間の国と妖怪の国の全貌が見えてくる。のだが、彼の魅力はさっぱり見えてこない。
出番は少ないが、花のある二人、チェンクン(晴明)とジョウ・シュン(幼馴染)は主役に見える。
陳情令のシャオジャンが博雅だったら、どうだったかな、と妄想した。もしらしたら、主役は、晴明と博雅だね、ってなってたかもなぁ。
しかし、中盤以降は素晴らしかった!!
チェンクンの覚醒!つおい!かっこぇ!
彼の見得を切る、ような感じは心が踊る。
雪女のビジュアルは美しかった。瞳の薄い青が絶品!
ただ、彼女は身のこなしに難がある。
二つの世界に君臨しようとするラスボスに向かってチェンクンは言い放つ。
「お前は、万物に対する慈しみがない。そんな者に統治の資格はない」と。
私は、こういう優れた者が統治する、貴族制?って言っていいのかしら、に惹かれるんだよなぁ。
貴族制は民主主義の反対語のひとつかと思うけど、有象無象の利権争奪戦よりかは、最良の人たちの判断が大事である、と。ちょっと思うの。