むかしむかし、、
「あ。忍たまの時間だ!」と、思わず口走ったわたしに、友人達は半ば呆れ、「忍たまなんて見てんの?子供が見るやつでしょ!」「全くぅ、いい歳してバカじゃないの」と、こき下ろされ、たちまち「almostおとな」という域まで落とされた。
そのとき、近くに座っていた男性が振り向いて「忍たまは、良いよ。」と言った。
ものすごく嬉しかった。
友人たちにはそれぞれ好みがあり、タイミングもある。「今はコメディ以外はイヤ」みたいなタイミングである。
それぞれ違うからこそ、分かり合えたと思う瞬間の喜びは大きい。ドラマ感想を書き続けている理由のひとつかもしれない。
「瑯琊榜 麒麟の才子」の感想は、これで2回目となる。
中国TVドラマの中では、ダントツと言って良いほど、隅々まで手の届いた脚本が素晴らしいんだ。
シンプルな画面は美しく、現代的なテイストを持つ美術セットは、中国時代劇を一変させたのではないかとさえ思う。
「瑯琊榜」の一年前に公開された「古剣奇譚」の映像に比べると、ミニマリズムだなぁと思う。 「古剣奇譚」の美術セットは豪華な調度品であふれている。画面には、それらが全部写り込んでいる。彩度、明度の調整もおかしく、古色蒼然とした感じがとても苦手だ。
上の写真は梅長蘇、まだ瑯琊閣にいる時、悪夢を見た梅長蘇が体を起こしたショット。
夢のシーンから切り替わり、強く物語性を喚起するショットで、感激した。
梅長蘇は奴婢の子供を救い出した。皆殺しにされた林家の唯一の血筋だった。梅長蘇は、子供を在野で自由に育てようとしたが、靖王が養子にしてしまう。
「最近わたしは考えすぎる…」と呟いた梅長蘇は、不安を振り払おうとした。
シーズン2が作られるとしたら、これが伏線だなと思っていた。
「瑯琊榜2」は追い詰められる感じが苦手で、最後の方だけ見た。
あざやかに、伏線は回収されていた。
梅長蘇ゆかりの、かの者は、自由を選び、多分、長林府という軍閥も解体するつもりなのではないかと思った。
梅長蘇の見た夢はこれをもって終結した。