Raised by Wolves神なき惑星

 リドリースコットのフラットな画面から、独特の時間が流れてくる。

女性のアンドロイドにとても惹きつけられる。

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U-NEXT 2020年、10話、リドリー・スコット監督1、2話担当

ルーク・スコット監督3〜10話担当

アマンダ・コリン出演

 

3話目以降の監督は、ルークスコットだ。

 ルークは、「モーガンプロトタイプL -9」の監督。

 わたしはとても好きだった。森の緑の色と、湿った雰囲気は目に残っている。

やっぱり、この監督の画面は、ものすごい雰囲気を持っている。

 

 二人の親子監督の違いも面白い。

リドリーは、役者の力を最大限活かし、ルークは、役者を使う。

役者やその他を使って、何か観念的なものを、映像で表現しようとするルークと、全てにバランスが取れているリドリーという感じなんだ。

 

物語の舞台は未知の惑星。

ミトラ教団と無神論者の戦いで人類は滅亡寸前だった。

アンドロイドの男女が受精卵とともに、遠い無人の惑星に到着する。

アンドロイドは、無神論者の国を創る使命を持って、6人の人類の生き残りを育て始める。

そこに、ミトラ教団の宇宙船が現れた。

 

9話と10話は未見だけど、ワクドキな希望の予言!

 

映画が万年筆であるというなら、

リドリースコットは、たとえば、原始の地球に偶然に生命が誕生した、というような、偶然を信じない。

彼は、絶対的な視線(手)のようなもの、何かそういうものに、オブセッションを持っていると思う。

作品の中に見え隠れしているのは、その様々な変奏だ。

宿命とか、創造者とかのどうにもならないものは、絶対的なものの変形ヴァージョンである。

当然、リドリーさんには、神や信仰に対する畏敬の念はこれっぽちもない。だから絶対的な何かが表面に出てくる構成だと、深みは見えない。

これが隠れていると「エイリアン」「ブレードランナー」などのように、広がりが見える。

…彼の賛否両論を考えてみたの。

 

 奇しくも、このTVドラマは、無神論者と教徒の争いである。彼のチョイスは、考える者をあざら笑うかのようなジョークに思え、ちょっと可笑しい。