ジェイン・オースティンはやっぱり面白い。
2020年、オータム・デ・ワイルド監督、ジェイン・オースティン原作
アニャ・テイラー=ジョイ主演
むかし、オースティンを何作か読んだとき、『エマ』は、好きじゃなかった。
でも、この映画で、わたしは始めて、エマが分かった、というか、可愛いって思ったよ。
オースティンの小説は、言っちゃえば、小津っぽいホームドラマ。
舞台は、18世紀の中流上流階級で、適齢期をむかえた娘たちの結婚話し。
大した事も起こらない彼女たちの日常と、彼女たちの本音を、皮肉や知的な会話で綴っている。
オースティン自身の恋愛をネタにして書いたと言われているが、彼女は経験をいったん解体している。客観的に三人称で書かれた、一人称の物語だ。愛や結婚で幸せになることを、どこかで信じていて、あたたかい。
この映画のフラットな明るい光の映像は、アニャ・テイラーによく似合っていた。
アニャ・テイラーことエマは、お客を招いた晩餐会で、自信に満ちた女主人ぶりだが、エマはハタチそこそこなのだ。
家庭教師から「分かったつもりになってはダメよ」とエマは注意された。
「何でも分かったつもり」になって行動するエマの愚かさは、現代の若い女性にも充分当てはまるんだなぁ、と思う。
つまり、わたしは、20歳前後の小娘は、こんなもんだ、とようやく気づいた。
ナイトリー氏から、「間違っている」と言われても、エマは理解しない。
まぁ、こんなもんよ。
そして、お父さんが可愛い。エマは父を1人に出来ない。結婚から目を背けた、自覚していない理由なのね。。
エマは可愛いなぁ。
結婚式で、ナイトリー氏は涙ぐんだ。結婚生活に飽き飽きしていると思われたエマの義兄も泣いている。
ホンワリと幸せなラスト。
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ユーモラスなシーンも多いよ。
コレは新手だと思ったのは、あり得ないピアノの演奏。
ばあああん!
思い出しても可笑しい。