料理には、3種類の塩を使ってるんだ。
薬味や調味料をたくさん使う中華には、意外なことに、まろやかで旨味のあるゲランドの塩が合う。パスタを茹でるときには、甘味のあるキリッとした塩が必要だ。和風料理にはシンプルな塩を使う。
もちろん、わたしの料理に合う塩にたどり着いたわけで、塩梅は人それぞれだ。
塩は三か所に分散して置いてある。わたしったら、間違うから。
昨日、麻婆豆腐をつくっていたとき、小さなガラスケースの塩を探し回った。
見つけたとき、唖然とした。わたしは置き場所を忘れていたのだ。
習慣になっている記憶(手続き記憶)を混濁する。
深刻にやばい。。肩を落とす、、どころの騒ぎじゃなくて、落とした肩が地面にめり込んでいった。。。
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いつまで経っても薄れない記憶もある。
どうでもいいようなドラマのシーンが記憶に残っている。
中国ドラマ。
ヒロインと主人公の家に若い男性の客があった。
客にお茶を注いでいたヒロインは、何かに気を取られ、なみなみと茶を注いでしまった。
表面張力でかろうじてこぼれずにいる茶。
ヒロインも主人公も、あわてているし、見ているわたしまで、あわてた。
溢れんばかりの茶碗をじっと見ていた客は、水飲み鳥の玩具のように、すぃっと頭を下げ、茶をズズッとすすった。
お茶は正常に8分目入りになり、客は茶碗を持ち上げた。
なんともユーモラスな動作だった。
おまけに、水飲み鳥のように茶をすするシーンは、その後、なんの脈絡もなく2回も出てきた。カットされなかった、無くても構わないシーン…。
きっと、演出家や編集者もめっちゃ面白いって思ったんだろうな。