「花不棄」を見直した。全51話。
☝️可愛いアリエル・リンと彼女を愛する仮面の騎士
前回、飛ばしながら見た時は「変なドラマだ」と思い、今回は、かなりきっちり見て「なるほど、破綻してる」とため息をつく。
勧善懲悪ものの完全なラブコメ時代劇は、残り7、8話で一変してしまうのだ。
悪は罰せられず、善意の若者たちは、一挙に5、6人死ぬ。。
多分だけど、終盤に差し掛かる頃に、製作陣は、大きな変更を余儀なくされたのではないかと、思う。
ネタバレ注意⚠️
この物語の主役は、弱きを助け強きを挫く正義の味方、仮面の騎士ばりの義侠とアリエルリン。
ここに、暗殺者と先帝の孫、男女2人のサブキャラも加わる。交錯するふたつの三角関係で、話は面白おかしく進んでいた。
👇暗殺者はアリエルリンを何遍も殺そうとする
アリエルリンに迫る先代皇帝の孫👇
原作では、
暗殺者は、仮面の騎士に早々と討たれ、
先帝の孫は、謀反を成功させる。
ところが、ドラマでは謀反は失敗する。
その結果、悪役だった、暗殺者と暴君ぶりを晒していた皇帝を成敗できない。
なぁんてこったい!だよ。
辻褄を合わせるために脚本家は、仮面の騎士を利用した。んだなと思う。
暗殺者は仮面の騎士に惚れている。彼は、暗殺者の生い立ちに同情し、何くれと世話を焼いては、アリエルリンにやきもちを焼かせる。
それは、ラブコメ定番の甘ったるい誤解に過ぎないものだった。
ところが、終盤、
暗殺者には同情、皇帝には忠誠という、2人を大切にする仮面の騎士の手つきは、暗殺者と皇帝の悪行を見えなくしていくのだ。
ラストは、皇妃になった暗殺者と皇帝の幸せそうなツーショットだ。
アリエルリンはひとりぼっちになった。そこへ、幻とも現実とも判別のつかない仮面の騎士が現われて、幕を閉じた。
おまけに、暗殺者に対する仮面の騎士の、度を越した同情は、画面には映らない、彼の内面「意識の流れ」を浮かび上がらせた。
暗殺者へ宛てた彼の手紙を、意訳してみよう。
「今生では無理だが、来世ではお前の情に応えよう。
幸せになって欲しい。」
見終わった私は呟いた「あーら。この男はすぐに浮気するわ。こんなん、ラブコメの主役じゃない。」