窓際のスパイ

うっかり「ロンドンルール」の罠に落ちた「slow horses」は「slough house」送りとなる。みゃはは。

☝️左からリヴァーとキャサリン

つまり、

保身(ロンドンルール)に走る同僚の罠に落ちた、新人のリヴァーは、間抜け(slow horses)のレッテルを貼られ、MI-5の本部から泥沼ハウス(slough house)へ左遷された。

 

このロンドンルールは「自己防衛」って字幕なんだ。

始めのうちは、危険な仕事だし、そらそうだ、と思うんだけど、つまるところは、本作を貫く大いなる皮肉と諧謔なの。

MI-5の上司たちは、自分の利益を守るためなら、平気で部下を犠牲にする。MI-5本部の連中は、ロンドンルールに則り、保身に長けている。

一方、slow horsesn(間抜け)には、「状況を理解しないバカ」という意味もある。

泥沼ハウスへ左遷された「間抜け」たちは、善良で不器用なわけ。

この「本部と泥沼ハウス」という縮図は、皮肉っぽいカリカチュアなん。

 

なんつうかね、いかにもイギリス!って感じの皮肉と機知で逆転させたスパイコメディ物。

最高に面白かったよ!

 

ちなみに、〈リヴァー 慣用句〉でググると、SELL DOWN THE RIVERが出てくる。

裏切られる、見捨てられる、って意味。でも、英国で一般的なのかどうかは分からない。

 

「俺は、裏切られて泥沼ハウスに来たんだ。」と、リヴァーは愚痴った。

「あなたのご両親はリヴァーなんて名前をよく付けたわねぇ…?」と、キャサリンは答えた。

 

👇泥沼ハウスのボスは、実は凄腕のスパイ

☝️にゃんとゲイリー・オールドマン

 

 

 

 

写真日記

某日

「そんな面倒な事はしない!」

友人たちは、みな力強く宣言した。

これは、《動画配信の無料体験を渡り歩く》か否か、友人たちに聞いた時のことだ。

歳を取ってからの「面倒だ」は、脳の衰えとほぼほぼ同義になる。

「面倒」の内訳は以下のようになる。

 

▷そもそもの無料体験登録を忘れ、

カレンダーに設置した登録解除のアラームを、訳がわからない、と思う。

パスワードを忘れ、なぜかメモにも機種にも保存されていなくて、パニクる。

数種のパスワードを試す内、ブロックが掛かり、呆然とする。◁

 

。。年寄りの「面倒だ」は、なかなかに複雑なのである。

 

某日

育児ブログが好きだ。

あちこち見ていると、夫の少ない育児時間に不満を持っている女たちは多い。

それで思い出すのは、昔、子育て中だった時のこと。

その頃、わたしの周りには、夫の育児時間に、おおよそ満足している人々と、不満だらけの人々が居た。

双方を比べると、夫の育児時間、内容にたいして差はなかった。

夫たちは、フルで働いているので、育児にかける時間にそう差は出ないのだ。

 

ならば何故、不満派と満足派に分かれるのか?

こっからは推測に過ぎないけど、

満足派の夫たちは、育児に積極的だ。育児意欲の高い夫と妻は、一緒に同じものを見ている。つまり子供を見ている。

不満派の夫たちは、育児を手伝うものの、消極的、またはやる気がない。

そうした夫たちが見ているのは、イライラと神経質な母猫の様になってしまった妻だ。

女は夫の失望に敏感だ。身軽な独身貴族のような夫は、妻にすれば、不公平で理不尽なのだ。彼女たちは、自分のひび割れた心に気付かぬまま、不満を引っくるめて、夫の育児時間のせいにする。

 

 

 

 

 

ラストノート

彼女は、辛そうに身体を起こし、枕にもたれた。

「あの彼が見舞いに来たのよ」と、わたしに言う。

“あの彼“というのは、昔、彼女が愛した男だ。

彼女の夫も“あの彼“を知っていた。最後に、会わせてやろうとしたらしい。

 

「彼には、会いたくなかった。見られたくなかった…。」痩せ細った彼女は、かつての美貌を失っていた。

「彼はね、奥さんと赤ん坊を連れて来た。」

わたしはとっさに、「きっと、あなたの夫に気を使ったんだよ。」と答えた。

彼女は子供のように首を振った。

 

実のところ、わたしは混乱していた。“あの彼“の行動が理解できない。

時々、男は、女の大切なものを簡単に破壊する。

 

「昔、彼は、スパイシーな香水を持っていた。」

「桃の香りにスパイシーな香りを重ね付けすると、洗練されたラストノートになるのよ。」

帰りがけに手を振ると、彼女はそう言った。