曹操は海をはじめて見た。感動していた。
「太陽や月は、海から来るのか?
天河に燦爛と光る星は海の裏から来るのか?
いやあ、高揚する!この気持ちをメモしておくよ」
……日月之行、若出其中、星漢燦爛、若出其裏、幸甚至哉、歌以詠志(曹操「夏門歩出行」)
ドラマタイトル、前半部「星漢燦爛」、後半部「月升蒼海」。
「天河に星が光り輝き、蒼い海原から月が昇る」
美しいなぁ、誰の詩からとったのかな、李白なのか、杜甫なのか、、おぉ、曹操だった。
残り数話のアップは年末だと表示されている!!くっそぉ、待ってるのにぃ。。
「星漢燦爛」というこのドラマ、めっちゃ、好きだ。めっちゃ面白い。
少女は若い将軍と出会い、紆余曲折を経て結ばれる。
この単純な物語が、幾十にも折り畳まれたキャラ設定の妙によって、動いていく。
虐待されて育った少女は、心の底に冷たい孤独を抱えている。
若き将軍は、皇帝に愛されて育つものの、重大な秘密を抱え、彼もまた、孤独なのだ。
2人は、ルソーの言うように、孤独に育まれた自由人である。
少女は、自分の欲望に忠実だし、大人の言うことなど意に返さない。
ドラマの冒頭、少女は、叔父を役人に突き出した。この時、将軍は、少女から自分と同じ匂いを感じ取った。
運命的な出会いであった。もっとも、少女は全く理解していなかった。
将軍は、「情愛談義」の巻で見られるように、実は人情の機微についてよく分かっている。
けっして、朴念仁ではない。ただ、全くもって軍人仕様な人物だ。
主役2人の演技も面白いし、物語は、ユーモラスにリズムよく進む。
☝️ウー・レイとチャオ・ルースー
少女役のチャオ・ルースー、作者は、この役を彼女に当て書きしたんじゃないかと思った。
「黒豊と白夕」のチャオ・ルースーは美しかった。今回のヘアーメイクにはがっかりだ。それなのに、わたしはやっぱり彼女に引き込まれる。
将軍役のウー・レイ、「我が名は」の巻は、圧巻だった。静かな苦悩から、痛みが伝わる。
受け手の役者さんは、重過ぎず、感情を損なうこともなく、ドラマの流れに乗っていた。
総じて、年のいった男性の役者さんたちは、軽妙だったと思う。
対して、女性陣は、なりふり構わず、荒くれた表現をやってのける。い、いいのか?後悔しない?とちょっと思った。特に、五公主役の女優さん。もし私がプロデューサーなら次の作品に彼女はキャスティングしない。
悪役ながら文修君役の女優さんは、なぜだか心に残った。好きかも。
面白くて、3回も見た。