少年游之 一寸相思

自分でもどうかと思うが、わたしはかなり女が好きである。

彼女に惹かれてみたドラマは、邦題を「紅蓮伝」と言う。紅蓮の炎しか思い浮かばない変な題名だ。

👆ジャン・ヤーチン

彼女は、不思議に清涼感のある瞳をしている。演技も良いが、彼女の場合、瞳がものを言う。以前、「皇太子妃はシンデレラ」を流し見していた。ドラマ後半から、突如出てきたように思える彼女は、全てを壊しかねないほど輝いていた。そこで、演出家は彼女の目を隠した。彼女を病気にして目に布を巻いたのだ。彼女は平凡になり、ラブコメはきちんと纏まったのだった。いや、ホント。

 

それ以降、すっかり彼女に惚れ込んだわたしは、この「少年游之」を見たわけだ。

かつて途中で放り出したドラマだった。

 

画面、と言うのか、、画面の色やザラついた画質が嫌いだった。何より、風景、「人が居る風景」を撮らない。

人しか見ていないカメラや演出は、緊迫感とエモさの過剰で、わたしはほんと疲れたよ。

 

原題の「一寸相思」をネット翻訳すると、嘘か本当かわからんけど「恋煩い」って出る。

「少年游之 一寸相思」は「少年の旅…の、恋煩い」って感じ?

そして、彼女が携帯する「一寸相思」は武器の名前でもある。少年が彼女に愛を乞うたび、彼女は「一寸相思」を彼に突きつけていた。

もしわたしの読み(訳)が当たっているのなら、「一寸相思」の持つ二重の意味は、非常に洒落ている。

 

ところで、相手役の少年は、、後半、酷い演技だった。

彼は、自分の命を削って、彼女に尽くすのだけど、その後、画面に出るたびに泣いている。

メソメソ、メソメソメソメソ泣く。

彼の偉大な愛の行為は、自分を憐れむメソメソ泣きにかき消されていった。

なんで演出家は泣くのを許したんだろうな?不思議だ。

おかげで、最後、少年を守ろうとする彼女の凛々しさが際立ったけど。

 

年の離れた別カップルのワンシーンが心に残った。

愛を乞う少女は、泣きじゃくりながら男を見上げた。

まるでオードリー・ヘップバーンの「昼下がりの情事」だった。ムッチャクチャ可愛い。

昔の邦題は優れたものが多かった。

「紅蓮伝 失われた秘宝と永遠の愛」って、すっごいミスリードだよ。