リアリティのダンス

アレハンドロ・ホドロフスキー監督作品( 2013年)

 

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自分の殻を壊した後に現れるものはなんだろう?

自分というものを突き抜けた感がある監督は、シュールレアリスム的な表現やバロック的な表現に親和性があるように見える。

 

始めてのホドロフスキー作品は、なにか哀しみが澱のようにわたしの中に残ってしまった。

ネットの公式サイト等によると、監督曰く、「両親は化物でした。映画と違い、父は最後まで変わらなかったし、母はわたしに触れたことがない」

 

…やっぱり。

 

この映画はリアルな重い拘りから脱脚してゆく。

 少年アレハンドロ(イェレミアス・ハースコヴィッツ)は友達からはいじめられ、父親のハイメ(ブロンティス・ホドロフスキー)はぶっ飛んで厳しい。母親のサラ(パメラ・フローレス)は、アレハンドロに金髪のカツラをかぶせ、彼女の父の生まれ変わりとして取り扱う…。

 

監督は、自分を癒したかったし、他の人たちも癒したかったんだと言う。 

 

母親は唐突に、父親は少しづつ、リアルから監督の想像の世界へと逸脱していく。 

 しかし、その見せかけの現実が真実ではないと誰が言い切れるだろう。

 確かなものに対する深い懐疑が立ちあがる。