blank13

斎藤工監督。 2018年。高橋一生リリー・フランキー松岡茉優

 

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はしもとこうじ氏の実体験を基にした映画です。70分。

 

昔、韓流のはしりの頃、どーして自分は、中国や韓国の映画に惹かれるのか、考えたことがあって、それをこの映画を見て思い出しました。

「中国や韓国映画はモダン的なんだ。そして日本映画はポストモダン的である」と、かつて思ったわけです。

 

今の時代、これらの言葉が通用するのかどうか分かりませんが、つまり、例えば、「LOVELESS」、このロシア映画もわたしはモダン的だと考えてみます。

この映画は、主役のネグレクト夫婦の末期的結婚生活が描かれますけど、暗に、どこかメランコリックに豊かではないかもしれないけど、子供に対する愛を育む結婚生活への対比があります。

まあ、だから、崩れかけたモダンかもしれないです。

独断と偏見ですが、モダン的なものは物語が面白い!とにかく面白い、とわたしは思うんですね。(誰か、訂正してください)。

 

こちらの日本映画、「blank13」は、

父親が、小学4、5年生の男の子と、その兄、母親を残して失踪してしまいます。成長した兄弟の元に、父の消息が知らされます。父は余命3ヶ月で入院していました。

 

この事をどう考えます?

父との楽しい思い出を持っていた弟は、どう考えれば良いのでしょう?

自分は捨てられた。しかし、父との思い出がある。兄のように恨みつらみだけではない。

この映画はそこに焦点を当てています。

わたしはつくづく、あー、子供もたいへんなんだなあ…と思い知らされましたよ。

 

葬式で、弟は兄の後を引き取って挨拶を続けるのですが、この彼の挨拶が心に沁み入ります。(やなぎちゃん、高橋一生、よかったよぉー😋)。

やり過ぎてもいけない、塩梅の難しい、めっさ大事なシーンを上手いこと演じてましたん。

規範がばらけた時代のその断片がキラリと光るような、そういう部分がある映画でした。