ストップモーション・アニメーション映画。ウエス・アンダーソン監督。
未来のメガサキ市を舞台にした日本の少年と捨てられた犬たちの話。
犬達は英語を話します。舞台は日本なので人間は殆どが日本語を話します。
犬達は、「少年の言葉が分かればなあ」と言うので、全部わかっているのは日本の観客だけです。
アメリカやその他の国では、日本語に英語の字幕が付かないそうです!
つまり、チャーリーブラウンの大人たちですね。トロンボーンが「ファンファン」鳴って、それが大人の言葉です。
「ファンフン、ファーン」
「怒られちゃったよ」とチャーリーが言って、説明する、という。
下の写真を見てください。
映画は、確かに、日本のテイストではあるけど、どうしたって不思議な空間です。
外国の人にとっては、相当な不思議空間の中で、ファンファンという音でしかない日本語を聞かせられ、分かるのは犬達の言葉だけです。(日本の観客以外は…。面白いですね。)
それを想像するとなんとなく「ロスト・イン・トランスレーション」という映画を思い出します。
ビル・マーレイ主演で、東京の人混み、ではなくて日本語の洪水の中で戸惑う感じが、ものすごく(日本語がわかる私にも)伝わってくる映画でした。
最初のほうで、スポッツという犬が出てくるんですが、その表情があまりにも豊かで、ほんと、可哀想やら可笑しいやらで…。
「ああ、夢なら覚めてくれ」みたいな顔で目を閉じてゆっくり開けるんだけど、ねえ、ほんと、おかしかわいそ、なん。
「俺はノラだ」
……他の犬の顔!
私この映画のワンコ達、好きです。