ロバート・ロドリゲス監督、ジェームズ・キャメロン脚本、2019年。
この写真の女の子、アリータはすべてCGなんですよぉ!
彼女はサイボーグで主役なんです。
サイボーグじゃない人間は実写で、つまり、混合というわけです。
このCGはパフォーマンス・キャプチャーという技術だそうです。
この映画のレビューを読んで以来、見るのをとっても楽しみにしていました。
で、
もうもう、素晴らしかった!
アリータの瞳は透明感があってとても美しいんです。
彼女のアップショットを見てからというもの、わたしはくらっくら。
可愛いのよ。
そしてつおい!なんてったって、300年前は最強の戦闘用サイボーグだったんです。
頭部だけの彼女をゴミ山から拾いあげて、修理したのはイド博士です。
彼女は記憶もなくしていましたが、彼女の眼に映るアイアンシティは、明るくて面白い。
けれど、ここには空中都市が君臨していました。
その下に広がるアイアンシティの人々は、空中都市に仕えるようにして暮らしています。食べ物を作ったり、そんな仕事をしているらしい。
空中都市とその下のアイアンシティ。👇腰掛けているのはアリータとボーイフレンドのヒューゴ。彼は人間。
この映画は、題名通り、アリータのカッコいいバトルシーンがいっぱいですが、実は、アリータとヒューゴの恋物語です。
わたしは、昔よく見た、下っ端のヤクザやチンピラの映画を思い出しました。
彼らの恋は、幹部の女と恋に落ちたり、女のために堅気になろうとしたりといった具合なのですが、決まって、彼らは不条理に押しつぶされていきます。
犯罪者まがいの生き方をしてきた彼らは、底辺から抜け出そうとして、いつだって、強大な力や理不尽な出来事に負けるのです。
この映画も、特権的な姿の見えない階級と、地上で暮らすたくさんの人々、という現代社会の縮図ように見えます。
空中都市に憧れ、希望を持っているヒューゴ。
彼に恋するアリータ。
階段を登ろうとする二人は、不条理に呑み込まれていきます。
(ついでに言っとけば、不幸は公平、平等です。どこにでも忍び寄る。)
しかし面白いのは、アリータというキャラです。
ヒューゴにとって地上の暮らしは有象無象の仲間入りなのでしょう。
けれど、アリータはここで楽しく暮らせるじゃないかと、ヒューゴに言うわけです。
不思議なことにというか、新しいと言うべきか、この少女は分かってるんですねぇ。
いま、ここに二人でいられることが幸せであることを。
彼女の心は力に満ちているのです。自分をしっかりと見つめる強さがあります。
彼女は何ものにも踊らされはしないのです。
……しかし
懸命にアリータはヒューゴをつかんでいたのですが、ちぎれてしまうのです。
せつない…恋でした。