腹にずしんと響く漫画だ。
ガチラノさんの感想が良かったので、読んだ。
表題作の『パンティストッキングのような空の下』は三上とヒロのコンビが面白かったけど、なんといっても『唯一者』がズンとくる。
この漫画です👇
昔、何かで読んだ。
「心中しようとする男女はセックスをしない。セックスをする時は、まだ、生きたいときだ」と。
この漫画の根っこにはタナトスが横たわっている。
けれど、『パンティストッキング……』に溢れているリピドーは、生きたいってことだ。
登場人物たちは幸せになりたくてもがくけど、まったくどうすることもできない…。
そして、この短編集の最後の『唯一者」。
主人公の男は昔、幼女にイタズラした元犯罪者。
彼は、大人の女では勃たない。
彼は、絶対的な孤独感の中にいる。
「生まれてこないで済んだなら、それが一番良かった」
「どこにも属せない」
覚えがある感覚…。
どっしょうもなさ、のどまんなか。
『唯一者』の主人公は街行く人びとを見る。
ひとひと、ひと。
彼らはそれぞれに孤独で苦痛を抱えている。
主人公は死なずに家に帰った。