エンダーのゲーム、不可能の向こう

ギャビン・フッド監督。 2013年。

 エイサ・バターフィールドハリソン・フォードネタバレ注意!

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 天才少年アンドリュー、愛称エンダー。

 

CGが綺麗だったし、老人とはいえハリソン・フォードだったし、

私は、この映画を楽しんでいた。 

 

ところが最後の最後でびっくり。この映画にはきちんと主張があった。

 

あらすじ

 オースン・スコット・カードによるSF小説の名作を実写化。昆虫型生命体と人類の戦争を終息させる能力と宿命を背負った少年の成長と苦悩が描かれる。yahoo映画

 

小学校の高学年、中・高生向けの映画だけど、大人も楽しめると思う。 

 

エンダーは特別なエリート(司令官)養成コースにいる。

この子供達は、全宇宙地球艦隊の指揮をコンピューターでゲームをするように指揮する。大人より子供の方が優れている事が判明したため、指揮官は子供達なのだ。

 

原作はエヴァンゲリオンなどの、自己葛藤(うじうじ)に影響を与えたらしいが、この映画のエンダー君は、あくまでも凛々しい…。どうやら総指揮官としての役割を重要視してキャラを作ったようだ。

むしろ、ハリソンフォードのほうが、顔に感情の揺らぎがあって何らかの葛藤を見せる。

 

養成責任者のハリソン。 

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もちろん、それでも、エンダー君は親に向かって「僕を恥ずかしいと思っているんだろう?!」と自己否定に走ったりもするが、アップショットの横顔は涼しげだ…いや、多少の暗さはあるんだけどね。なーんか違うなぁ。

 

 ハリソンに説得されて養成コースに行くときも

「わかりました。僕の宿命ですね!!」とかの答え方が、私は気恥ずかしくて、ところが、ハリソンのアップで救われるのよねえ。

彼は、こう…微かにいなすような表情を見せるんだ。

 

そいで、

エンダーには、共感能力みたいなものがある、と示唆されるんだけど、最後にこの伏線が効いてくる。

 

この共感、感応能力みたいなものはある種、テレパシーみたいなもので、敵を理解できるわけ、エンダー君は。

敵を知り、理解出来るということは、戦闘で有利だし、平和的解決の一助に…どころか、交渉の根幹を担うわけだ。

 

戦争を終結させたエンダーは、昆虫族の女王の心に触れる。

恐ろしいはずの虫の姿は、エンダーが見た夢のシーンと重なる。それは優しい姉の姿だ。

女王とエンダーの邂逅は美しい。

 

 戦争はダメだ!それは正しいけど、敵を相手を理解すら出来ないのなら、平和なんて実現しない。話し合いで平和を、と言っても相手を理解出来なくて、何の話し合いなんだ。

苦ーい主張が浮かび上がってくるラストでした。