男の子と女の子のおとぎ話。
自転車の二人乗り。男の子と女の子。そして赤い風船が飛んでいる。青春の煌めきの中にいる二人のはずだが…どこかしら汚ない。
デヴィッド・レイ監督、脚本。2005年。
原題は「チェイシング コーディ」。
(チープ&ダスティ プロダクション、⬅️映画の冒頭にそうでてくるのよ。とても低予算な映画。)
ジェイ・バルチェル、サラ・リンド、ジム・バーンズ。
恋人を救うために過去に戻って、現在の状況を変えようと奮闘する少年のお話。
二人はストリートチルドレンなのだった。女の子は売春をし、男の子はドラッグを売っている。彼ら自身もドラッグをやっている。
そして彼は、頭のネジがゆるんでいる、一本か二本、抜けちゃってる。だからというか、とても子供っぽい目をしている。ものすごく可愛い。
その彼にとって最愛の女の子が昏睡状態に陥る。
過去に戻って彼女を救おうとする彼のユーモラスな奮闘は、女の子の家族や学校でのいじめという問題を明らかにしていく。気がつけば、彼の心が澄みきっていて、サラサラといろんな汚れが落ちていく。彼がとても可愛い。
時間神クロノスの話をしたりする不思議なおじさんが彼にタイムマシンを与えるのだが、最後まで、正体が分からない。父親のように彼を愛しているようだ。
おじさんは少年によい人生を送らせたかったのか、と思うが、少年は自分のことなど一切眼中にないのだ。汚れのない子供のような心で少女を愛していた。
最後のバスの中のシーン。外を赤い風船が飛んでいった。