毛皮で包まれた女の子は、彼女を抱きしめていた男の頬におずおずと手を伸ばしました。
それは男の限界だったのかもしれません、彼は顔を背けました。
左から 碩風和葉と金珠海。
2017年「海上牧雲記」☝️
これは、「海上牧雲記」の17話目のお話。
二人は結婚したばかりでした。
夫の前に、男と裸で重なり合っている妻が布団ごと縛り上げられ運ばれてきたのです。
頭にかかっていた毛皮を取り払われた妻は、獣のように叫びました。
妻と重なっている男が夫を嘲ります。
「この女はいい身体をしている」「俺の寝床にこの女はいつも滑り込んできた」
男の顔を殴りつける夫の一点の迷いもない姿は感動するし、飛び散る血が茫然自失としている妻の見開いた目の中を流れていきます。
精悍な夫は、「お前を信じるし、過ぎたことだ」と答えます。
しかし、妻の伸ばした細い手から顔を背けてしまうのです。
やっぱりなぁ…と、震える思いでわたしは見ていました。
「あなたに贈り物をあげる」と言う妻の言葉には二重の意味があります。
彼女からの解放は、彼の野望と夢へ向かう自由と重荷からの解放です。
目新しい話じゃありません。強姦された妻とその夫の話しです。
けれど、女の子の役者さんの力強さときっぷの良さが、可愛らしくてたまりません。
ともかくこの17話は女優さんの魅力がすごかった。
この「海上牧雲記」というドラマは、面白くない!わけじゃない……。でも、70話もあって、そいでまだ、序章に過ぎない、という…。
プロットはスゲー魅力的なんだ。なにせ、主人公は荒神だとかいう超能力を秘めていて、全然目覚めていない。3人のヒーロー達はそれぞれ呪いというか予言を持って生まれてくる。それらが絡み合って、つう、架空の世界におけるファンタジー。
この超絶面白い筋書きを、おーい、どーしたん!?カタルシスがおせぇー!
つう冗長…なのねぇ。
あと、架空の世界観を表現するためなのか、日本風味が舞台美術にあって首を傾げていた。
なんと日本にもロケに来ていたらしい。
それと、中国TVドラマは、アニメのように声優さんが声をあてる、吹き替えの文化なのよ。
初めは、役者さんが口をつぐんでいるのに、朗々と喋っていて、仰天した。
でもこのドラマは、役者さんの生音声が使われているんだと。
でもって、中国ではそれが不評で、「予算はあるのに、吹き替えをケチるな!」と。
台湾訛りや香港訛り広東訛りやら混じっていて興醒めってやつかな、と想像した。
ドキュメンタリーなどを見ると、標準語の北京語が通じない民族などがいて、多国籍だけじゃなく多言語の国家なんだな、と思う。
吹き替え、初めは面白いやり方だなと思ったけど、馴染みの声優さんが出てくるに及んで、これは難しいなぁ、、とちょっとおもう。
そそ、面白いことに、中国人のカタカナ英語がメッサ聴きやすい。
わたしが言うカタカナ英語って、日本人が「ハンバーグ」って喋ってるやつのこと。
こうしたカタカナ英語が中国ドラマにも出てくるんだけど、発音に違和感がない、すごくよくわかる発音なんだ。
でも、韓国ドラマのカタカナ英語って、ほぼわからない。
例えば、ファイトは「ファイジャン」みたいに濁音が混じるんだ。
なまりの違いって面白いなぁ、っておもう。
『この男は人生最大の過ちです』2020年。
このドラマの松井愛莉がめちゃくちゃ魅力的!
上の中国ドラ「海上牧雲記」の重要なヒロインに失望していた直後に、ちょっと見したら、惚れちゃいそうになった。