シルバー・グローブ/銀の惑星

 

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U -NEXT、1977年〜1989年、ポーランド制作

アンジェイ・ズラウスキー監督

 

SFに釣られて見たら、3時間近い大作だった。 もうね、庭仕事でくったくたなの、ぼく。

「自分を理解する方法は記録すること」とかゆってる。やばい…。

 

ズラウスキー監督の国、ポーランドは、辛酸を舐めてきた。彼の一族には有名な作家などがいて、ポーランドの連綿と続く知的な家系ではないかと思われる。

 民主的なフランスで教育を受けた彼にとって、ソビエトの属国となった祖国はどのように映ったのだろう。

 

衛星国ポーランドを見てくれ、ズラウスキー監督がそう言っているような気がする。

 

「我々が世界を理解しようとしているのではない。世界が我々を理解しようとしているのだ」

一個人であるズラウスキー監督の見ている景色は、映像の中で普遍性を帯び、世界が理解しなければいけないものになる。

 

 「役者は病気だ。自分の中にあなたを求めるから」

 「醜さが美しさに勝利した結果が役者だ」

 

ソビエトの言いなりになる政府高官を皮肉っているのかな、と思うし、哲学的な問いかもな、とも思う。

 

ぼくは疲れていたが、このやばい映画に飽きなかった。

役者たちは、前衛演劇のようにのたうち回り、苦悩する。前衛演劇の根幹には、克己心がある。彼らは、原始人的な有様で、ぼろぼろの長衣をまとっている。

 

ところが、マリックが登場して以降、どうも彼が嫌い。

 マリックは現代的な服を着ている。衣装と短髪が前衛劇に合わない!

現代人的な彼の狂気は、わたしを、映像世界から引き離して現実に戻してしまう。

ノレナイし、苦笑いも込み上げる。

ついに、早送り…。

おまけに相手の女とのいざこざも、鬱陶しいので、ラスト直前まで、早早送り。

どうせ、ズラウスキー監督は女性問題を抱えているんだろう…。

 

え。マリックが、その女に殺されて、殉教者になった…。

あれ。飛ばしちゃいけなかったんだ。

 (๑╹ω╹๑ )

でも、ぼく、寝るよ。