オム・テファ監督脚本。2016年。 出演シン・ウンス、カン・ドンウォン。
なんていうか、ハスミンなどは、こういう映画監督が日本に現れるのを待っていたのじゃない?
テファ監督は、素晴らしく映像のセンスが良いです!
垂涎もののショットがたくさんあります。彼は光の使い方が上手いのでしょうか?
bitcorleoneさん やfrikandelさんが韓国映画がすごい!とおっしゃっていて、なるべく疲れない映画はぁ、って探して、これを見ました。
シビれました…。
お話は一言で言えば、少年の100年の純愛、ですねぇ。
もちろん、100年を描いてはいません。
転校生の少女スリンは、義理の父の問いかけにも、同級生にも、冷たい視線しか返しません。けれど、ソンミン少年とは超常現象について話が合い、二人は親しくなります。
風が吹いて、スリンの後れ毛が初々しい頬をなで、ソンミンは慌てて目を伏せました。廃屋の階段で、二人は、ずっと好きでいてとか、離れないで、とかちょっと忘れちゃったんですけど、他愛もない約束をしました。
二人はまだ12歳くらいです。
ソンミンがレリーフを彫っています。スリンの顔を。
ある日、ソンミンやスリンは仲間たちと洞窟を探検することになりました。
それが、大変なことになっていきます。
スリンを残して少年たちは、違う時間帯に飛ばされちゃうのです。
スリンのいる現実世界で3日間であれば、彼らの時間は信じられない速さで動いていて、16年間が過ぎます。
だから、彼らの目に、スリンたちの世界は止まって見えます。鏡にも自分たちの姿は写りません。
この止まった世界の描写は楽しくて面白いです。
水に飛び込むシーンがあるのですが、ソンミンにまとわり付く水の泡や流れが信じられないくらい綺麗です…ほんとに綺麗でした。
時間が正常に戻り、ソンミンは彼がいなくなってから3日しか経っていないスリンのところに現れるのですが、そっからが大変です…。
カン・ドンウォンという役者さんは、ちょっとした動作や目の動きで、ああ、彼の心はまだ少年のままなんだな、と思わせます。
テファ監督は、物語を紡いでゆくのではなく、彼はシチュエーションを撮る監督なんですね、シチュエーションごとの人物の心の揺れや動き、シチュエーションによる周りの乱れをどんどんショットに収めていきます。
そして、中学生になった制服の少女の笑顔と髪に白いものが混じる少年の怯えた心が出会います…。
韓国のポスターが素晴らしいので載っけます。重いかな?