アフター・アースと少年のトラウマ

M・ナイト・シャラマン監督、脚本。 

ジェイデン・スミスとウィル・スミス。2013年。SF作品。

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 他の作品と間違えてたみたい!

わたしは、「アフター・アース」を見てなかった!ガッデム。

 

あらすじ

キタイ(ジェイデン・スミス)のもとに、レンジャーの最高司令官でもあり父でもあるサイファ・レイジ(ウィルスミス)が宇宙遠征から帰還した。サイファは伝説級のレンジャーである。

彼は引退前の最後の任務にキタイを同行させることにした。2人が乗った宇宙船は、小惑星嵐にあい、地球に不時着を試みるが…。wiki

 

この映画は、ウィルスミスの名前につられてみたら、たぶん、低評価になる。

 

 …ウィルスミスはどうでもよくて、傷ついている13歳の少年のお話だった。

それも、少年が成長するとか、男らしくなるとか、そういう映画でもない。

傷心の少年がそれを克服する物語だった。

 

 ネタバレあり

 

彼が小さい時、姉は、彼を庇って怪物に殺された。

 彼は、父に認められるレンジャーになりたい。…ガムシャラにがんばっている。

 

 そうした父と息子の乗った宇宙船が、(人類が1000年前に脱出した)地球に不時着する。

 助かったのは父と息子のみ。父親は動くことができない重傷。

少年は無傷だ。

彼は、100キロ離れた場所に落ちた宇宙船の後部に辿り着き、救難信号を打たなければならない。

 

父親が英雄なのは、怪物を倒すことが出来るのが彼だけ、だからである。

彼は、ゴーストと言われる極意を会得している。

 

で…ね、当然、怪物が出てくるわけよ。

 

お気づきでしょうが、13歳の少年は、ゴーストの極意をモノにしちゃう!

けれど、少年は最初から最後まで、情けないほど繊細で、そこを味わうことが出来る人は、楽しめるはず!

 

 

映画のラスト。

前半の伏線が効いて(わたしはゾッとしたけど)、父は少年に敬礼する。

しかし、されど、シャラマン!

少年は、敬礼を返さず、父に抱きついた…。

「ボクは母さんの仕事を手伝いたい」彼は父にそう告げるのだ。

 

つまり、少年は伝説のレンジャーの仲間入りを果たしたのに、拒否する。

監督のメッセージは結構明確でしょ?

 傷ついた心を捨て去るサバイバルだったんだよ、と。

 

 

あと、冒頭の少年が暮らす都市の建物や基地のCGがめっさかっこいい!