説きふせられて

 大福餅の粉を払いながら、わたしは考えていた。きのう、車のラジオから流れてきた「3回、結婚を申し込んで、3回、断られた」という26歳男性の投書のことだ。

 

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 2007年、エイドリアン・シャーゴールド監督。

ジェーン・オースティン原作。

サリー・ホーキンス主演。

 

最近、その女性と出会い、又、結婚を申し込んだ。4回目で、彼はOKの返事をもらった…んだと。

投書を読み上げた男性のパーソナリティは興奮した声で「一体、どういうことなんでしょう!」と言った。相棒の女性パーソナリティはくぐもった声で「…そうですねぇ。」と、モニョモニョしている。

すぐに思いつくのは、デートしているくらいだから、彼女は彼に好感を持っている。恋愛感情はない。そしてある日、年貢の納め時だと思った。くらいかな…?

 

若い頃、「私たち、もうすぐ別れようね」と相手に言っても、わたしと結婚するつもりの相手は、全く理解しなかった、という経験がある。

「断ります」

「任せろ、幸せにする」

どうやら、でかい溝があるようだ。

 

この映画は、サリーホーキンスが結婚を断った男と、8年たって、又、出会う。

彼は、再びホーキンスに愛していると伝え、立ち去った。ホーキンスは、街中を走って走って走って走って彼を追いかける。

息を弾ませたホーキンスは彼に言った「あなたと結婚します」

そして、エンディングはホーキンスのアップ。カメラを真っ直ぐに見ている目がニッと笑っている。

 

なんというか、監督はホーキンスを見込んでいた…感じ。一度は拒否した女が、駆け寄り、承諾する、そしてあのアップ ショット…「うわぁー、粋だ」と思ったのかもかしれないし、彼女なら表現出来ると思ったのかもしれない。

 

ん。それには成功しているよ。だけど、ホーキンスのヘアースタイルとファッションは、吐き気がするほど、嫌い。地味にしても、やりようがあるしょぉ…。

そいで、この映画は喜劇っぽさがあるようでないんだ。

喜劇に傾いていたら良かったのに。

 

にしても、岸壁でバッザーン、バッザーンと波をかぶっているシーンは、たまげた。