「僕を葬る」「婚約者の友人」オゾン作品って…。

フランソワ・オゾン監督について全く何も知りませんでした。

 

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 「婚約者の友人」⬆️

 

ふかづめさんのここを読むまでは。(「シネマ一刀両断」はアカデミックな知性とめちゃおもしろおかしく書かれた映画専門ブログです。いろんなことに目が開かれます。)

でも、レコメンドして置いてなんですが、わたしのブログははてブの底辺に位置しているので、なんの効果もないんだけど。

 

はてブがデッカい建物だとしたら、わたしのブログは建物裏手の草地の中をはっているミミズ…?だって、アクセス数は10から20くらいです。でもわたしはホクホクして喜んでます。

そ。でね、ついこの前、PVが1万超えたんです。まあ、1日で終わるだろう、と思ってたんだけど、3日間続きました。一万人越えが。10人で喜んでるのにですよ!

 

まっ、今は正常に戻りました。

 

あ、えぇ、う…そそ、ふかづめさんによると、オゾン監督は「映画で知的な遊びをしている」と。

わたしはオゾン監督作品であることさえ知らず、「スイミングプール」「彼は秘密の女友達」「8人の女たち」を見て、あ、「秘密の…」は面白かったんですけど、後のは面白くない、わけではない、んだけど、どーでもイイとして蹴っ飛ばしておいた映画なんですねえ。

 そいで、オゾン作品に興味を持ったので、「婚約者の友人」と「僕を葬る」を見ました。

 

 

婚約者の友人

高級感があります、作品に。(前も思ったけど)。

アンナがパリに行く時、ピアスをつけてるんだけど、それが白黒の画面でときどきキラッと光って素敵でした。

アンナの両親に対する嘘はもっともだし、嘘をつくべきだと思うけど、彼女がアドリアンに「両親は許した」と嘘をつくのにはびっくり。だって彼女って、そうゆう嘘をつくような強さや優しさってないでしょ。感じられなかったもの。

 

「僕を葬る」

これ、すきです!

ジャンヌ・モローって生きていたんだ。昔、苦労して探して見た若い頃のジャンヌさんはすごい美人では鼻っ柱の強い女性だったと。

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「僕を葬る」⬆️ 

 

 ボールを取りに来た巻き毛の男の子はロマンの幻覚でしょうか?

その後、彼は微笑んで横たわりました。一筋の涙。

「こうして生命は永遠に続く」とでも思ったのでしょうか。

 彼はそのまま眠りにつきました。長い長い眠りに。

悲しかったです。(今のところ、唯一すきな作品)。

 

 

 

オゾン作品についての結論。

 

なぜ、グザヴィエ監督作品がすきなのか、やっとわかりました。

グザヴィエ監督って「感情」を大事にしている監督ですよね。そこが私の大のお気に入りだったんだと、気がつきました。豊かな感情が映像に波打ってる作品が私の好みなのだった。

 

つうことで、ええ、オゾン作品がどんだけ高級感があろうとなかろう、わたしはどーでもいいんですねえ。つまり…ほぼ、感想がない!んです。失礼しました、オゾンさん。

 

 

 

SAINT LAURENT/サンローラン

夜中、庭でタバコを吸っていた。夏の夜空は珍しく晴れていて、綺麗な星々がよく見える。

 

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さて、

ギャスパー・ウリエル主演のファッション界に君臨したイヴ・サンローランの映画を見たよ。

 

サンローランの最盛期を描いてる。

ジャックがサンローランを乱行パーティに連れ込む。そのパーティのセックス描写を見たときは、ずっとこんな感じなら見るのを止めようと思ったけど、それっきりでおしまいになった。

 

サンローランは結構、几帳面に仕事をしている。彼は、彼を愛する有能な人物に囲まれているが、夜な夜なクラブに遊びに行く。

 

そのクラブは、一人か二人の天才と少数の金持ち、頭の良い人間たち、そして若く美しい男や女が戯れている特権意識が漂う高級クラブ。

 これは、心がただれるゎ、と心配するまもなく、サンローランは薬物とアルコールに溺れてゆく。

透けて見えるのは、彼の、「創造することの苦しみ」。

 

老いたサンローランをヘルムート・バーガが演じるようになる映画の後半が良い。

混乱している老人サンローランの頭の中のように、若い頃の彼と老人の時と映像が入れ替わる。

 

最後、横たわる老人の彼(死んじゃったみたい)。画面が切り替わり、若い全盛期のサンローランの顔のアップになる。彼は微笑んだ。

 

 

うーん、このラストは哀しい…。

後半が秀逸。

 

 

 

「DARKダーク」その2

 ドイツ製のこのTVドラマは、心に残る(引っかかる)ものでした。

 

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 子供が小さいときの事です。

隣国などから歴史(戦争犯罪など)を日本の教科書は正しく記述していないという批判があり度々ニュースになっていました。

 

その時、日本の教科書(教育)とよく比較されたのがドイツです。

ドイツでは、ユダヤ人虐殺について子供にきっちり教え(自虐史観的)、話し合いなどもさせると聞きました。(今現在については知りません)。

 

わたしは、そういう自虐史観的教育をされた子供がどういう状態であったのか、ずうっと気になっていました。

 

このドラマは、ソレを思い出させます…。

 

この物語の中心にいるのはヨナス少年です。  

彼は、父親の自殺というトラウマを抱えており、「なぜなのか、僕は原因を知りたいんだ!」と精神科医に怒るのですが、それは彼の大いなる心の叫びです。 

 

 そうしたヨナスの抱える事情と重い映像表現が合わさった時、何か心にずしりと響くものがあります。穿ちすぎかもしれませんが、残虐な過去の歴史について教育された子供の心が、それと重なるような気がするのです。

 

 

映像は、あまり奥行きのない舞台のように整えられ、光と陰が主役です。

 野外での映像はその逆で、全てに均一な光です。(曇りのときに撮ってる?)

 

前回の「DARKダーク」にも書きましたけど、物語自体、わたしの好みですが、特に、時空をまたぐヨナスの混乱した視点には想像がかきたてられます。

 

とても上質なドラマです。

 

…気が済んだゎ。